崖が崩れないようにコンクリートで固める工事のことを法面(のりめん)工事という。
いろいろなやり方があるが、その中でも四角いコンクリートの枠で升目にする「法枠工」というやつが、ビジュアル的に心打たれる。
見てるうちにだんだん、脳ミソがぐんにゃりして来そうになるのだ。
(T・斎藤)
今回の写真は全部モノクロだ。 もともとコンクリートばかりでほとんど色が無いので中途半端に色がついてるよりも、モノクロの方が升目感が強調されて味わい深い。そう思って、今回はモノクロでいくことにした。
法枠工を施された斜面は 通常は升目効果で、直線が強調されたソリッドな印象になる。
が、逆に曲面が強調され、ぐんにゃり感が露呈するパターンもある。それがこれより以下の画像だ。
これらは言わずもがな、崖崩れしないように固めているわけだが、基本的に岩盤は固いので真っ平らになるまで削ったりはしない。土砂を取り除いてある程度カタチを整えたら型枠をつけていく。
そのため、元の地形によってはこのようなぐにゃぐにゃ感あふれる素晴らしい法面ができあがるというわけだ。
見てるうちにだんだん、頭の中がぐにゃぐにゃになってきて、 「もう写真の向きなんかどうでもいい。 (縦も横でも転地逆でも!)」 という気持ちになってくる。
まるで、ムンクの「叫び」の背景のような歪みっぷりだ。
ん?ということは、ここで叫べば、あの有名な絵みたいになるんじゃないだろうか?
ちょっと違う。 なによりも髪型が違うのが憎らしい。 切ってしまおうか? いや、そういう問題じゃないかもしれないけど。
悔しいので、家に帰ってから写真を合成してでも近づこうと努力してみたが、結局お見せできるようなものはできませんでした。
以上で終わりですが、せっかくなのでもう少しぐんにゃり法面を見たいというかた向けに、次のページも用意しました。今度は余計な要素抜きでストイックにどうぞ。