取り壊し寸前でした
観光協会の方曰く、かつて石版に彫刻をしたものを壁に1万枚張ろう、というプロジェクトがあったのだとか。
「でも結局途中で中断してしまったんですよ」彼女はすまなさそうにいう。
なんでも1万人に達する前に島にある彫刻に向く柔らかい石を彫りつくしてしまったのだとか。資源の枯渇だ、仕方がない。でもそれってモヤイ像彫ってた石とは違うのだろうか。不安だ。
「これまでに彫っていただいた石を貼った壁は近くにあるんですけどね、実はそれもこの観光協会と一緒に近々取り壊しが決まっているんですよ」
なんと、投稿いただいた彫刻した石を張った壁は、現在の場所からの移転が決まっているのだという。しかしその受け入れ先はまだ未定なのだとか。そのへんのことを考えると、このタイミングで見に来たのは非常にラッキーだったといえる。
あわてて教えていただいた壁を見に行くことにした。
壁発見!
彫刻した石を張った壁は観光協会のすぐ近くの公園にあった。
コンクリートの壁が5枚分、その両面に彫刻が施された石がびっしりとはめこまれていた。当時1万枚を目指した勢いがうかがい知れる。
数が多すぎて全てを紹介することはできないが、いくつか目に付いたものを見ていきたい。
どうだろうか、もしかしたら投稿を頂いた方の彫刻もこの中に貼られているんじゃないか。日付が彫られているものを見ると、頂いた情報どおり約10年くらい前のものが多いことがわかる。
しかし観光協会の方によると、実はこの壁、ここだけではなくもう一箇所あるのだとか。僕が思うに投稿を頂いたのはもう一方の方なのではないのか。海沿いの道に、と書かれていたからだ。今いるこの壁ならば、おそらく「海に近い公園の壁」と書くはずではないか。
幸い場所もはっきりと教えてもらえたので、これはもうもらったも同然だ。もう一方の壁も見に行こうと思う。
あ、その前にちょっと寄り道していいでしょうか。
もうひとつの壁を見に行く前にこの公園のすぐ近くにあった温泉を紹介したい。湯の浜露天温泉という石が建っている立派な施設だ。
この温泉、海を見渡せる絶景ポイントに建っているのだが、なんと24時間いつでも無料で入ることが出来る(ただし水着着用のこと)。設ける気ゼロだ。
あいにく水着を持っていなかったのでゆっくりつかるわけにはいかなかったのだが、足湯にだけつかってみた。
おおおおー
自転車を漕ぎ疲れた足に一気に感覚が戻ってくる。
天気の良い日に海を眺めながらゆっくり温泉につかるなんてなんて贅沢。ここが東京都内なんて信じられるか。
温泉で復活したところで、次の壁を探しに行こう。
海沿いの道を走る僕の自転車を、海風が気持ちよく追い抜いていった。