多幸山ハブセンターにて、いよいよショーが始まる
南国の植生に囲まれたいかめしい建物に入るとステージから扇形に広がる客席。意外にもけっこう入っている。やっぱりみんな見たいのだ、と打ち震えた。
開始時刻になると白衣を着た所長風情のMCが出てきてステージが進行する。なるほど白衣か。これは白衣でなかったら相当胡散臭く見えそうだ。セーターとか。
ステージ内のガラスケースにはハブとマングースがいる。虎やライオンが戦うわけではないのだ。意外とちんまりしたものが戦うのだなあと実感する。
MCの話はハブとマングースの生態の説明から始まった。およそ90年前ハブ対策のために連れてこられたマングースだが、実際はハブよりも捕らえやすい沖縄の希少動物に標的を変更したそうで県は大迷惑。
しかしこのマングース、「ハブを襲う時のスピードとタイミングが素晴らしい。」と言う。「ハブの頭を狙っている。噛むとハブの口は開かない、攻撃されることもない。」対決を前にその素晴らしさが心に響く。
「これがハブの卵です。」と、ビンに入った卵らしきものが出てきた。ハブのしかも卵である。遠いぞ。私たちからかなりの距離にある物だぞ。どうしようかなという思いであったが、「ほぉ」や「いやぁ」という小さい声が客席から上がった。卵も遠いが、みんなもけっこう大人である。 |