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ひらめきの月曜日
 

鶏の形を再現してみよう
今週(8/27〜9/1)は1日でできる自由研究をお届けしています。

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見事なまでに鶏肉だけが入ったレジ袋。


スーパーで白いトレイに入り、ラップがしてある状態で 販売されている鶏肉たち。精肉店に行っても「もも」「む ね」「ささみ」と、部位ごとに売られています。

たまに「手羽元はこの部分のお肉です」などと図解したイラストが張り出されているお店もありますが、鶏を丸ごとさばいた経験のない私には、いまいちピンと来ない絵です。そもそも「ささみ」がどこにあるのかも、実は分かっていません。

鶏肉が大好きなのに、こんなことでいいんでしょうか。普段食べている物をよく知ろうと思い、スーパーで買ってきた鶏肉を、元の形に戻してみることにしました。そうすることで少しは鶏のことが分かると思うからです。

高瀬 克子



 

まずは肉を用意

自由研究の書き出しって、こんな感じだったか…? と思い出しながらリードの部分を書いてみた。いまいちウソ臭い文体ではあるが、書いてある中味は紛れもない事実だ。

そう、私は鶏のことをイマイチよく分からないまま食べている。いや、鶏に限ったことじゃない。豚だって牛だって、知識として「ロースは、カルビは」などと言ってはいるが、実物を目の前にしたら「なんじゃこりゃ」とさっぱりワケが分からなくなること請け合いだ。

どの肉についても詳しく知りたいところだが、今回の隠れテーマは「1日でできる自由研究」である。だったら鶏しかないだろう。


今回の企画のまさに骨組みとなる、ガラ。
ダイエッターの強い味方、ささみ。

もも肉は、骨付きを用意(×2)
むね肉も2つ揃えました。

手羽先。2つあれば十分だったのですが。
手羽元も2つじゃ売ってくれません。

以上、6種類の部位を使って元の鶏の形を再現してみたい。組み立てながら「なるほど、そういうことか!」などと言えたなら、試みは成功と言えるだろう。

 

とにかくデカイ、そして大量

まず、すべての肉をトレイから取り出すところから始めた。と、ここで第1の発見。「量がすごい」

いつもトレイひとつ分の肉だけで調理を済ませているので、一羽分がここまで大量になることが実感できていなかった。とにかくすごい量だ。

「鶏の丸焼き」なんてイメージしてる場合じゃなかった。一度バラバラに分解された肉たちは、コンパクトにまとまってなどくれない。


首の部分まで入れると、かなりの大きさに。
脚付きとなると一気に巨大化。それが2つ。

大きな皿が2つ占領されました。
そして空のトレイが8個。鶏ってデカイんだなぁ。

疑問だったササミの場所は、事前にネットで調べておいた。というのも、組み立て作業に入ってからは他の作業が一切できないことになる。なんたって手が鶏の脂でベトベトになるのだ。

組み立てながら疑問に思うことがあっても、もう調べ直しは出来ない。調べ直しどころか、電話が鳴っても出られない。

ちなみにデジカメにはあらかじめサランラップを巻いておいた(レンズ以外)。これで撮影だけは可能となったのだが…。


もも肉とガラをドッキング。ずっしり。
あとで分解がしやすいように、竹串でつなげます。

発見2。「重い」

とにかく重い。もも肉とガラを片手で持つのがこれほど 大変だとは思わなかった。これを片手で持ち、さらに片 手にカメラを持っていると、手がプルプル震えてくる。

とにかく脚が2つ付いたことで、だいぶ元の形に近づい たように思う。続けて、むね肉に取りかかった。


ん、ネッシー?
これは、…ゾウか?

首の部分がグラグラと固定しないせいか、角度によって鶏以外の物に見えてしょうがない。

決して遊んでいるつもりなどないのだが、そう見えてしまうのだとすれば、ひとえに私の組み立て力不足によるものだろう。


いまにも走り出しそうなダチョウといった風情。
よっこらしょ。(ひと休み)

最大の難関

むね肉とササミを取り付け、残すところは腕回りだけとなった。

この「手羽元」と「手羽先」の接合部分、実はネットで調べてもよく分からないままであったため、「あとは現場でなんとかなるだろう」と見切り発車での作業となったのであるが…。


おかげで現場は大混乱ですよ。
…これが正解か?(ちがう)

そういえばもう一つ「手羽中」という部位があったが、今回は「なくてもさして影響はないだろう」と参加を見送ってもらったのだった。やはり必要だったか。

結局「なんとなく」で作業をこなしてしまった。そういえば、鶏の手の部分ってどういう角度で付いてるんだっけ…? と何度も鶏のポーズなどをして考えてみたのだが、最終的に私の頭では解決できなかった。

よって、手の角度は両側それぞれ違うパターンを取らせてもらった。


泣いているのかい?(こちら側は内向きに装着)
オレを放せー!(反対側は外向きに装着)

ちなみに、脚も両方角度が違ってしまっているが、これは左脚だけを2本買ってきたせいである。買い物の段階から間違いを犯してしまっていたのだ。

そんなわけで、6つの部位から作る、鶏が完成した。


これが完成と言えるなら、ですが。

 

 

わかったこと

いかに自分が普段、鶏を真剣に見ていなかったかが理解できた。もういい大人なのに恥ずかしい。自分の食べている物くらいは、きちんと理解しておきたい。

苦労したところ

とにかく重かった。おまけに柔らかかったため、気を抜くと竹串が外れそうになって困った。

感想

肉がきちんとパックされて売られていることの素晴らしさよ。鶏はもちろんのこと、流通に関わる全ての人に「ありがとう」と思わずにはいられなかった。そして、これだけの量の肉をどうやって食べ切ればいいのか、今は途方に暮れている。

バラしました。1.4キロありました。

 
 
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