「やっぱりチャージは、部屋と『床』の席と、違うのね。いいお値段だけど、新宿ゴールデン街とかと同じくらいか」
「東京が何でも、高すぎるんですよ」
「東京が異常だってこと、時々忘れちゃうんだよねえ…自覚しないといけないよな。
でも気持ちいいなあ〜、川のそば」
「でしょ〜」
「贅沢な感じするね」
「ですねえ」
「なんというか、ここって、歴史のブランド感あるし、文化もあるし、ゴハンうまいし、川キレイだし、出て行きにくい町だねえ。私の出身地の埼玉なんか、なーんもないから、出ていかざるをえなかったもんね」
「ええ。でも……(中略、地方出身者の葛藤について、果ては女の生き方についての語り入る、でもそのうち会話はグダグダに)……で、『西陣』っていう地区の名前は、『応仁の乱』の頃についたんですよ!」
「なんで?」
「西にあったんですよ!」
「っていうか『応仁の乱』って何の戦い? っていうか、何年だっけ?」
「…………あれ?」
「京都人のくせに、思い出せないでやんの、やーいやーい!!」
「うるちゃーい!! 関東のイナカ者!!」
情緒たっぷりの夜、大人の私たちは、結局『応仁の乱』が何年に起きたか、思い出せなかった。
でもナゾのスタバも見れたし、『床』が気持ちよかったので、いいや、と思った。
みんなも京都行って、鴨川の流れを、だらだら眺めるといいと思うよ。 |