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ひらめきの月曜日
 
ごはんソーセージ

筒を替えよう

はたして救世主とはマヨネーズの容器であった。しかも期限切れときている。これなら筒の太さも十分すぎるほどあるし、強度も問題ない。

これをキレイに洗ってごはんを入れたら、絶対にうまくいく。なぜかそういう確信があった。今度こそ大丈夫だと思った。


キミみたいな子を探していたんだよ!
心おきなく捨てられる。

このとき時刻は深夜2時。朦朧とした状態でピッタリの容器を見つけたことが嬉しすぎたのかもしれない。底の部分だけ切ればいいものを、なぜか口の部分まで切ってしまっていた。

犯行時の心境を聞かれても「覚えてない」という犯人がいるが、私もこの時の記憶がすっぽり抜け落ちている。本当に、何を考えていたのか覚えてないのだ。


でも写真は撮ったようだ。つくづく情けない。
装着できるわけがない。

頭を抱えかけたが、希望はある。似たような容器を探せばいいのだ。

で、見つけたのがこちら。


今度ははちみつ。しかもほぼカラッポ。

今度は慎重に、底の部分だけにハサミを入れた。そして口には腸を直接装着する。

筒の太さが変われば、ごはんはスムーズに入ってくれるはずなのだ。


大きさ的に、ほぼピッタリ。
まるで、あつらえたかのようです。

さすがに「絞り出す」のは無理だが、これだけの太さがあれば、箸で押し込むだけでぐんぐん詰まってくれることだろう。

さっそくやってみた。


うおー! どんどん入る、入りすぎる!

さっきの「1時間で10センチ」が全く信じられない。今度の方法で1時間も詰め続けたら、果たして何メートルになることか。

あっという間にごはんがなくなった。しかしまだ腸に余裕はある。次は中身を替えたものを詰めてみよう。どんどん行こう、どんどん !


次はこれ。色合い的にもキレイですし。

これも、何の問題もなくずんずん詰まってくれた。本当にうれしい。この喜びは、一度挫折を経験した者だけが許される最高のものだ。

技術や工夫で進歩するからこそ人間なんだ。ああ、人間って素晴らしい。人生万歳。ごはんも腸も万歳。物事がうまく行ったことで、朦朧としてた意識が急に高ぶってきたらしい。

そして、すべてのごはんを詰め終わった。


全長45センチ、重さ1キロの、ごはんソーセージ。
アクセサリーにもなりまぁす(なんせハイな状態だから)

どこからどう見てもソーセージだ。だけど中に詰まっているものは、ごはん。

これだ。これがやりたかったのだ。むやみに長く、そして重く、端を両手で持ったままバクバクと食べられるような、そんな野性的なごはんソーセージ。

想いを具現化することが、こんなにも気持ちのいいものだなんて知らなかった。製造業者の方は、自分の作った物が商品化されるたびにこんな想いをしているのだろうか。だとしたら、とても羨ましい。

さておき。これは飾るために作ったごはんソーセージではない。無論、食べるためだ。


これ、どうやって調理すればいいんだろう

 

 
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