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ひらめきの月曜日
 
カルチャーナイト 〜夜間開放めぐり〜


札幌のイベントで、「カルチャーナイト」というものがあります。
札幌を中心とした北海道内の公共施設・一般企業が、夜間開放や特別展示などをする催しで、今年の札幌市内の参加施設はなんと89ヶ所。

中にはふだんあまり入れないような場所もあり、この機会にぜひ!と思うのですが、開放されるのはなんせ一晩のみ。
どこに行こうか迷っているうちに、「いっそ、行けるだけ行こう!」ということに…

さて、「カルチャーナイト」の夜、何ヶ所回れたでしょうか?

(text by 加藤 和美



■前日に下準備

この日の夜に夜間開放される施設は市内のあちこちにあり、地理で言っても数で言っても、すべて回るのは無理。
そこで効率を重視して、施設が集中している中央区を回ることにした。

拡大コピーした地図に、行きたい場所の情報(住所、電話番号、催し内容、開放時間)を書いて貼って資料作り。
これでどこに何があるのか一目瞭然。
…なのはいいものの、行きたい場所が多すぎて、結局よくわからない資料になってしまった。


チラシとHPで施設の情報を調べて、フセンで地図に貼っていく。
結果、地図がフセンで鈴なりに。がんばって回るぞ!

 

知事公館の正面。白壁に赤い窓枠がかわいい。

裏にまわって撮影。緑の屋根もかわいらしい。

■1ヶ所め、知事公館


知事公館
札幌市中央区北1条西16丁目

カルチャーナイトプログラム:
夜間開放、日本の民話、スペイン宗教音楽コンサート、陶芸工房、ライティング


まずやって来たのは知事公館。
名前は聞いたことがあるが、入ったのは初めて。
今回行って知ったのだが、この知事公館は明治時代に建てられた建物で、もとは私有地だったが現在は北海道のものになっていて、会議や行事に使われているとのこと。

知事公館は木々に囲まれていて、裏に回ると、子供が遊んでいたり、犬を散歩させている人が集まっていたりと、市民の憩いの場所になっていた。

知事公館は通常17時30分までの公開だが、カルチャーナイトの今夜は22時まで開放してくれる。
17時30分ちょうどに中に入ると、スタッフの皆さんが「こんばんはー!」と笑顔で声をかけてくれた。

知事公館に限らず、どの施設のスタッフさんも必ずあいさつをしてくれて、私の予想以上にお祭り感があふれていた。

知事公館では、まず建物の中を見学した後、陶芸の展示を見る。ちょうど民話の会が始まるところだったが、時間がないので最初だけ見て次の場所へ向かう。

さて、この調子で何ヶ所回れるだろうか。

明治時代の情緒あふれるな内装。
民話語りの時間が始まっていた。

 

道立三岸好太郎美術館の正面。

似顔絵コーナーは大盛況。

■2ヶ所め、道立三岸好太郎美術館


道立三岸好太郎美術館
札幌市中央区北2条15丁目

カルチャーナイトプログラム:
所蔵品展、オーケストラのミニ・リサイタル、似顔絵コーナー


こちらも、名前だけは知っていたが、行ったことがなかった「道立三岸好太郎美術館」。

三岸好太郎は、大正から昭和初期に活動し夭折した札幌出身の画家で、ここではその三岸好太郎の作品を展示している。

普段は入場料が必要なのだが、今夜はなんと無料!

展示を見学した後、1階ロビーを覗くと、美術を専攻している学生さんが無料で似顔絵を描いてくれるコーナーがあった。
こちらが大人気で、主に子供を描いてもらうお母さんや、年配の方々でにぎわっていた。

少し恥ずかしいなと思いつつ、私も似顔絵を描いてもらうことに。
皆さん、学生さんとワイワイ雑談をしながら描いてもらっていた。
小さい子供の場合は、じっとしていられなくて大変そうだった。

そして、似顔絵を描いてもらったできあがった似顔絵は……本人よりかっこいい。サービスなのだろうか。


描いてもらった似顔絵がこちら。

 

道立近代美術館の正面。

■3ヶ所め、道立近代美術館


道立近代美術館
札幌市中央区北1条西17丁目

カルチャーナイトプログラム:
ガラス工芸展示、ウォーム・アップ・ギャラリー、演奏会


次にやって来た道立近代美術館には、何回か来たことがある。

ちょうど入口ホールでコンサートが始まるところだったので、2階から見下ろして鑑賞。みんなが自由な格好で聞いている雰囲気が良い。

ゆっくり聞くヒマもなく、友人と待ちあわせの時間になったので、あわてて次の施設へ。

子供向けの工作コーナー。和風のテーマに合わせて、浴衣姿で受付をするスタッフも。
入口ホールではカルテットのコンサート。

 

札幌管区気象台にて。おお、気象図が!かっこいい。
奥のモニターで、道内の火山を観察している。高感度カメラなので夜でもばっちり。

■4ヶ所め、札幌管区気象台


札幌管区気象台
札幌市中央区北2条18丁目2

カルチャーナイトプログラム:
展示(パネル・観測機器の展示、ミニお天気相談所、お天気カード発行、火山映像生中継)、実験・パソコンクイズ、ラジオゾンデの飛揚見学


待ちあわせをしていたのは、札幌管区気象台。
「札幌管区気象台で待ち合わせね!」と約束するのも不思議な感じだ。

もちろん、札幌管区気象台に来るのは初めて。
というより、天気予報でしょっちゅう耳にする場所が、こんな身近にあるとは思わなかった。

札幌管区気象台では、中に入って建物の中を見せてもらったり、機器の展示や、その説明を受けることができる。
私より先に到着していた友人は、会った時にすでに興奮状態で、
「降雨量ってどうやって測るか知ってる!?」
と、いきなり私に降雨量の測り方を教えてくれた。

ふだん天気予報やニュースで接しているものが、いま目の前にあるというのは、確かに興奮する。

気象台の皆さんは、積極的に声をかけたり、説明をしてくれた。
ここだけで1本記事を書きたいくらいだが、すでに時間は7時近い。グッとこらえて次の施設へ。

ニュースでよく耳にする類が展示されていた。
スタッフの皆さんは、本当に熱心に説明してくれた。
気象台のキャラクター「はれるん」と!

 

UHBの正面。だんだん暗くなってきた…。急げ!

■5ヶ所め、UHB北海道文化放送


UHB北海道文化放送
札幌市北1条西14丁目

カルチャーナイトプログラム:
キャラクター記念撮影会、スタジオ見学、社内見学、UHBグッズ販売、レストラン一般開放


UHBでは、北海道ではおなじみのキャラクターの着ぐるみがたくさんいて、子供たちに大人気。

わー、私も一緒に写真撮りた〜い!
が、しかし。
子供がきちんと並んでいるのに、大人の私が割り込むわけにもいかないので、顔ハメで記念撮影してガマンガマン…。

UHBのアナウンサーやキャラクターと記念撮影ができる。
くやしまぎれに、顔ハメで記念撮影。

 

知事公館の会議室で、今夜の予定を綿密に計画していた奥様がた。

■みんなも回ってる

さて、ここまで5ヶ所回って、時間はよる7時を過ぎた。
夜間開放の終了時間は、施設によってまちまちだ。
8時に終わってしまう場所もあれば、10時まで開放している場所もある。
予想以上にお祭り気分になれるカルチャーナイト、まだまだ回らねば。

ところで私たちのように何ヶ所も回るぞという人は案外多く、施設で配っている袋を提げた人(=カルチャーナイトに参加した人)をよく見かけた。

カルチャーナイト巡りをしている人は、案外多いようだ。
それでも、私たちのように数を稼ごうというあわて者はいないようだが…。

おっと、周りが暗くなってきた。急げ!


 

 
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