(text by 大塚 幸代)
そんなわけで、 やって来ました、祇園の町。舞妓はーん! は見かけなかったけれど、お茶屋や、お茶屋を改装した飲食店が並ぶ、ザ・京都な、外人なら「ワンダホー!」と感激しちゃうような、雰囲気です。
そこに隣接するのが安井金比羅宮。神社の横には、ちんまりとラブホテル街なんかもあります。 鳥居を抜けて、中に入っていくと……。 どーん。なにかものすごいものが。 「これは高さ1.5メートル、幅3メートルの巨石で、中央の亀裂を通して、神様の力が下の円形の穴に注がれている」ものだそう。 「形代(かたしろ、身代わりのおふだ:100円)に願い事を書いて、真ん中の穴を通り抜けて悪縁を切り、もう一度通り抜けて良縁をゲット、最後に形代を糊で貼付ける」という段取りで、願い事をするのだそうです。
自分が何か書く前に、参考にと、みんなのおふだを見たところ……。 オールモザイクにしか出来ないような、ヘヴィーなものばかり。
※プライバシー保護のため内容を変更しながら、どういったものか例を紹介したいと思います。
ちなみに、「本名を書かないと効力がない」と思ってしまうせいか、90%ほどの人が本名を書いてました。もちろん、縁を切りたい相手の名前も。あああああ。
もちろん絵馬も同じトーンです。
私も最初は、「うまくいかなかった人間関係の固有名詞」とか「具体的な体調不良の原因」とか書こうと思っていたんですが、「皆が書くような、そこまで恨んでる相手、いないかもな〜」と思い、こんなん書いてしまいました。
がんばろう。そしてカモン良縁。 穴は狭いです。ガタイの良い男性だったら、くぐれない可能性アリ(でも札や絵馬を書いてるのは、圧倒的に女性ばっかりだったので、問題ないのかも)。
しかし、穴をくぐるのって、なぜか妙な充実感がありますね。「これで大丈夫!」みたいな気持ちになりました。
■みんな、悪縁切ろうぜ
心にわだかまりのある貴方! この「ガイドブックには、あんまし表立って効能が載ってない神社」、京都に行く際、気が向いたら是非寄ってみてくださいまし。スッキリするよ。
■安井金比羅宮 京都府京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70 JR「京都駅」から市バス206系統「東山安井」下車、徒歩1分 悪い縁を切り、良縁を結ぶのは「まつられている崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮で、欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことがあるから」「戦によって、寵妃・烏丸殿と不本意に別れてしまった、崇徳帝の悲しみの気持ちから」という所以があるそうです。 でもやっぱり「花町にある」というのが、説得力を増してますよねえ。