会場巡り
海坊主は太っちょで幅があるため、細い道をうろうろできない。でも毎年お願いしている似顔絵切り絵のお店には辿り着けた。
何とか間に合い、 会場にやってきた!!
ちなみに海坊主の海の上に浮かんでいる船も手作り。色味が足りないと思い追加した。どんなに動いても、転覆しそうでしない船である。
早速コンテスト出場者の待機場所に行く。
年々妖怪コンテストのレベルが上がっているのだが、今年もみんな怖くて妖力が高い。賞もらえるかな……。
徹夜明けだけど、アドレナリンがドバドバ出ていて一切眠くなかった。むしろテンションが高くて妖怪ハイである。
コンテストの前に妖怪について専門家が話すコーナーがあったのだが、パフォーマンスのイメトレをしていたため一切話を聞く余裕はなかった。今回は簡単なインタビューと、30秒間のアピールタイムがあるとのこと。30秒をどう使うか……。
そうこうしている間にコンテスト開始。
「どこからきたんですか?」という質問に、かなりリアルな近所の場所を答えている妖怪がいた。出生場所聞かれるのか……!!
30秒間のパフォーマンスは、ひたすら決めポーズをしたり、漫談をしたりと各々で個性が出る。
ついに海坊主の番が来た。
「お名前は?」という質問に、
「いわな坊主……、いや違う!海坊主です!」と言ってしまった。いきなり間違えた……!!
「どこからきたんですか?」という質問には、「瀬戸内海」と答えておいた。瀬戸内海からはるばる立川にやってきた海坊主。
30秒パフォーマンスは、「体を揺すって海産物を出す特技」を披露した。
1箇所だけ隙間を残しておいたので、そこから海産物(鯛)を出した。鯛を海産物と呼んでいるあたり、今思えば完全に人間視点だがそこには突っ込まれなかった。
やりたいことは全部やったので、あとは祈るのみ……!
パフォーマンス賞、準優勝、審査員の個人賞の発表が続くが、海坊主の名前は呼ばれない。手に汗握りながら、緊張の時間が続く。
「それでは、優勝の発表です!!優勝は……、10番の海坊主!」
「持てます?」「鯛出したところから入れられるんじゃない?」など審査員の方に心配されつつ、無事受け取ることが出来たのだった。
長い間(3日)の苦労が報われた瞬間である。
去り際に運営の人から「今日化けわらじ来ないの?」と言われ、完全に正体がバレていることが判明した。
海坊主は視力が激弱なので、日が沈んでから皆と盆踊りを踊ることはできなかった。でも水分、貴重品、スマホを体内に内蔵できるシステムなので、今までの妖怪の中で一番楽である。いつもはイベント後に2〜3キロ痩せるが、海坊主は1キロしか痩せなかった。
一番暑そうな見た目だけれど、何気に一番涼しい。4年目にして、妖怪の最適解を見つけてしまったかもしれない。
ただ、化けわらじのように長距離移動はできないので、都内をうろうろする妖怪になると思われる。見かけたら声をかけてください。お礼に海産物を出しますね。
海坊主は太っちょで幅があるため、細い道をうろうろできない。でも毎年お願いしている似顔絵切り絵のお店には辿り着けた。
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