特集 2019年3月4日

ダンボのように耳で泳ぐ小さなイカ、ミミイカを捕まえたい

ミミイカは美しい

友人が発見したミミイカを網ですくわせていただいたのだが、これがまた驚きの連続だった。

まず黒に近い紫に見えたイカは、よくみるとブラックオパールのような輝きを放っているのだ。ホタルイカのように発光するという訳ではないのだが、それでも驚きの美しさ。

016.jpg
半透明で紫色でピカピカと怪しく光っているんですよ。

この写真よりも実物はもっと鮮やかに輝いており、この場にいないと見られない万華鏡のように変わる美しさに感動してしまう。

もし「おれ、宇宙から来たんっすよ」と言われたら、やっぱりそうですよねーと納得するしかない得体の知れなさだ。

017.jpg
ふわっと全体が輝く瞬間がある。たまらん。
018.jpg
外套膜の袖部分なんてエメラルドグリーン、竜宮城のディスコで流行っているのだろうか。

網の中を泳ぐミミイカ。ほら耳で泳いでいる。

この鮮やかなイカを網越しに刺激すると、イカらしい透明感のある質感に一瞬で変わった。これこそが私のイメージしていたミミイカの色だ。

あの色は暗い海に合わせた擬態だったのだろうか。

019.jpg
ひっくりかえしたらシラウオに負けないくらい真っ白になった。

そして動き方が意外だった。胴体部分をアグレッシブに伸び縮みさせながら移動する様は、まるでイイダコである。

君は本当にイカなのかい。

020.jpg
ニュイーンと伸びれば小型のダイオウイカスタイルに。
021.jpg
グルングルンと竜巻旋風脚。

ほらほら、動きが実にタコっぽい。

突然の雨に打たれて強制終了

この砂浜にミミイカは間違いなくいる。そして水中のミミイカの様子もはっきりとイメージできた。

あとはもう1匹でいいから自分の目で見つけて、この網ですくえれば100点満点の一日となったのだが、ミミイカ経験豊富な友人が3匹目を見つけたところで、いきなり風が強くなり、天気予報にはなかったみぞれ混じりの冷たい雨まで降ってきてしまった。

水面が波打ってしまえばミミイカ探しはもう無理である。きっと砂に潜ってしまっただろう。それでもしばらく粘ったのだが、今日も明日も平日なので、いつまでも付き合わせる訳にもいかない。

022.jpg
黒いから絶対これはミミイカだ!って思ったら黒い鳥の羽。
023.jpg
友人が見つけた3匹目。ちゃんと墨も吐くんですね。
024.jpg
採取をあきらめて、じっくりと観察させてもらった。かっこいいな。
025.jpg
ミッキーの耳をつけたディズニーランド帰りの人みたいだ。
026.jpg
ミミイカ二等兵と呼びたくなるヘルメットっぽさ。
027.jpg
地面にぺたんと座り込むときは、漏斗を左右どちらかから出して呼吸をする。

呼吸するミミイカ。

ターゲットがこの場にいるはずなのに見つけられないモヤモヤが募る結果となったが、それでも生きたミミイカの姿を見られたので来てよかった。富山のホタルイカ採りも楽しいが、この場所でのミミイカ探しも輝かしい魅力に満ちていた。

その存在を前から知ってはいたけれど、本当の姿をまるで知らなかった。身近な場所にも、探せばこんな不思議な生き物がいるんだなと改めて思った夜だった。


ここから急な展開で恐縮だが、ミミイカは食用にもなるらしいので、せっかくの機会なので茹でて食べてみた。塩水ではなく真水で茹でたためか、ちょっと水っぽい感じが強く、ホタルイカのようなプリっとした触感にはならなかった。濃いめの塩水で茹でるか、醤油味の煮つけにすればよかったか。

食材としてはわざわざ採って食べなくてもいいかなという感じではあるのだが、それを知れたことが収穫だ。食べる食べないはともかくとして、今度こそはちゃんと自力で捕まえたいターゲットである。

028.jpg
ミミイカより愛をこめて。
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓