特集 2019年3月4日

ダンボのように耳で泳ぐ小さなイカ、ミミイカを捕まえたい

潮が澄んだ場所へと移動

この場所はやっぱり潮が濁りすぎだねということで、案内役の友人が風向きを考慮した上で、別のポイントへとちょっと移動。

ここなら大丈夫でしょうと来た場所は、先ほどよりもだいぶ砂の目が粗く、簡単には舞い上がらないこともあり、普通のライトでも海底がはっきりと見えるほどに澄んでいた。

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海岸に打ち上げられていたコウイカの骨。目的とは全然違う種類だけど、イカの気配というだけでうれしい。

ここで集中して探せば、きっとミミイカが見つけられるはず。だが目の前を泳ぐ生き物をいちいち捕まえてしまい、なかなか集中できなかったりする。

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水が澄んでいるって素晴らしい。

だってヒョロヒョロと泳ぐ姿に網を伸ばせば、なんと生きたシラウオらしき魚をゲットできるんですよ。

埼玉県の平野部でフナやザリガニをすくって育ってきたので、こういった海の生き物は図鑑でしか見られない憧れの存在だ。

やっぱり夜の海は楽しすぎる。子供の頃の私をここに連れてきてやりたい。

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ウナギの稚魚じゃないですよ。
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こちらはダイナンギンポの子供かな。
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ミミイカだ!って思ったら鳥の羽というのが10回くらいあった。

友人が待望のミミイカを発見!

そんな感じでがんばりつつも様々な生き物に気を許していると、ちょっと離れていた場所で探していた友人の呼ぶ声が聞こえた。どうやら本命を見つけたようだ。

バシャバシャとうるさく水しぶきをあげながら駆け寄ると(イメージは南国のビーチを走るグラビアアイドル)、彼の持つバケツの中に見慣れぬ黒い生き物が、ヒレをパタパタさせてプカプカとホバリングをしていた。

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ええと、金魚すくいでもした?。

「この出目金みたいな生物はなんですか?」と聞いたところ、「なにいってんの、これがミミイカでしょ」との答えが返ってきた。

えーー、なんかイメージと違う!ペンフレンドとの待ち合わせか。

いやいや、これはイカじゃないでしょうと手ですくおうとすると、空を飛ぶゾウのダンボのようにパタパタと耳で泳ぎだし、丸めていた足を伸ばして見せてくれた。

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耳みたいな部分はエンペラか。なるほど、これはミミイカだ。

真っ黒かと思いきや、よくみればうっすらと紫がかった鮮やかな色をしている。こいつが海中でどんな風に泳いでいるのだろう。

「ほら、そこにもいる!」

私が夢中で観察していると、友人が自慢の強力なライトで海底まで照らした場所を指さした。

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ピカー。

おおお、これか!

海底よりちょっとだけ上の場所で、ふわふわと漂っている姿が照らし出されていた。そうか、海中のミミイカってこういう感じで泳いでいるのか。

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イメージしていた姿と違った!

そういえば、うっすら紫色をしていて、ふわふわと泳いでいると教わっていたが、確かにその言葉通りだ。ただし透明に近い紫だと思ったら実際はほぼ黒の紫で、泳いでいるというか沈んだ状態でふわふわしている。

「もっと海面に近いところをふわふわしている時もありますよ。砂に潜っているイカなので、歩いた後を振りかえるとびっくりして出てきてたりします」

これがミミイカか。想像と違いすぎて、もしかしたらこれまでに見逃していたかも。やっぱり実物を知るっていうのは大事だな。

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海中に防水のデジカメを突っ込んで撮影。

水中で泳ぐミミイカ。どことなく古式泳法っぽさがあるね。

泳いでいるというか、ギリギリ流されないで踏ん張っているという感じがかわいい。

基本的には砂の中にいるためか、泳ぐのはあまり得意ではなさそうだ。あと200万年くらいしたら、進化の過程で泳げなくなりそうなほど。

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