特集 2018年9月15日

どうしても中が気になったプレハブの酒場

3回目のアタック

今回は平日の19時すぎ。
よし、やってる!
よし、やってる!
あんまりもったいぶっててもなんなので、そろそろこのへんで、どーん! と、お店の中の様子をご紹介しましょうか。
どーん!
どーん!
と、このようになってました。

すごくないすか? この、外観からは想像できない充実っぷり。
中央に立派な木製カウンター、システマチックに構築された調理場、写真に写っていない手前側には焼鳥専用の焼き台まであります。
全体を覆うウッディーな壁材には、どこか「ロッジ」や「別荘」といった趣があり、必要最低限でありながら十分すぎる、いつまでも浸っていたい快適空間。
アップデートの痕跡が楽しい短冊メニュー
アップデートの痕跡が楽しい短冊メニュー
品数もかなり豊富ですね。
お酒のラインナップも充実
お酒のラインナップも充実
「わりいね、うちカップ酒しかないんだわ」とかいう感じでは、ぜんぜんありません。
ここかな~、特に好きなゾーンは
ここかな~、特に好きなゾーンは

いよいよお店を堪能させてもらいます

よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
この日は、多摩地区在住の若き青年編集者である友人M氏(手前)を誘ってやって来ました。
この人のどんな酒場にでも馴染み、店主や店員さんから気に入られてしまう「酒場攻略力」がすごいんすよね。
いや~楽しみだ。

ちなみに奥にいる男性、我々がハイボールを頼むと「マスター、こっちもハイボール! いや~、若い人が頼んでるの見たら飲みたくなっちゃったよ。わっはっは!」「失礼ですが、こちら、よく来られるんですか?」「いや、初めて」という謎の強者。
自分が言うのもなんだけど、よく初見でこの感じのお店に飛び込むな!
今日のお通しは「あぶらあげのネギはさみ焼き」
今日のお通しは「あぶらあげのネギはさみ焼き」
まずはビールで喉を潤していると、お通しがやって来ました。
前ページにも写真を載せましたが、ここ、お通しからしてすっごくちゃんとしてるんですよね。
手際よくあぶらあげを切ってネギを詰め、オーブンでさっと焼いて、ぱぱっとこういうものを出してくれる。
こりゃ~通いますよ、近所にあったら。
チューブにんにくがかわいい「馬刺し」
チューブにんにくがかわいい「馬刺し」
身にあまる美味しさでした。
「ハイボール」、しっかり濃くて効きます
「ハイボール」、しっかり濃くて効きます
川からの風が建物の両サイドの窓を通って吹き抜け、BGMは秋の虫、極上に気持ちいぃ……
川からの風が建物の両サイドの窓を通って吹き抜け、BGMは秋の虫、極上に気持ちいぃ……
案の定マスターと打ち解けまくるM氏、頼もしいぜ!
案の定マスターと打ち解けまくるM氏、頼もしいぜ!
名物の焼鳥もお任せで注文
名物の焼鳥もお任せで注文
この焼鳥が、妙~~~にうまいの!
この焼鳥が、妙~~~にうまいの!
「ねぎま」が4本に「ぼんじり」が2本、どちらも塩で。
ジューシーでプリプリなお肉自体が良いのはもちろんなんですが、焼き加減と塩加減が絶妙すぎるにもほどがあります。

なぜこんなに美味しい焼鳥が焼けるの?
っていうか、このお店なんなの!?

ここらでちょっとマスターから聞いたお話をまとめておきましょう。

・マスターは代々この街に住んでおり、自分で5代目。現在はおよそ80歳
・若い頃はいろいろ経験したが、この店を始める前は、線路の反対側の街道沿いで25年間、スナックを経営していた
・当初は居酒屋をやりたかったが、キャパ40人の大箱で、奥さんからの「スナックの方が楽なのでは?」という提案もあり、現在と同じ店名で開業
・その店は、東京薬科大学や中央大学多摩キャンパスの学生たちで連日大いに盛り上がった。当時の学生は「そろそろ帰れ!」というまで飲みまくるので、時間制にしないとさばききれないほどだった
・6年前、時代やご自身の年齢の関係もあり、この小さな居酒屋を開店
・内装は知り合いの大工さんとあれこれ相談して特注したもの
・当初は別の場所にあったが、2年前、川沿いのこの場所に建物ごと移転
・お客さんはほとんどが近所の常連さん。自分も遊び感覚で、楽しく営業している
・ちなみに今飲んでいるのは「サワー」

そして「なぜこんなに焼鳥がうまいか?」の疑問については、

・八王子でよく飲んでいた若い頃、好きな焼き鳥屋があり、毎日のように通いつめていたところ、そのお店の大将に「そんなに好きなら中に入ってみるか? 焼き方教えてやるよ」と、奥義を教わった

とのこと。
あんまり聞いたことない話ですよね。

他にも、「西八王子から八王子にかけて、バーが38軒しかなかった時代」のこと、立川にあった「フィンカム」というベース(アメリカ空軍立川基地)のこと、八王子の芸者文化のことなど、いろいろな話を聞かせてくださり、そのどれもがマスターの奥深い人生経験にもとづく、非常に楽しいものでした。
あげくに「熱海に入り浸ってたころはさ~」なんてワードも飛び出したので、通っても通っても話が尽きることがないことは、容易に想像できます。

あ、肝心の営業についてですが、お店は気分次第で開けており、休みも適当だし、常連さんで貸切のこともあるから、いつ来ても入れるというわけではないそうで、「わざわざ来てもらって開いてなったら悪いしね……」と、こういった情報サイトへの掲載については、最初は断られてしまいました。
が、自分がいかにこのお店に感激したかをお伝えし、「お店の情報は公開せず、ここですごした時間について書かせてもらいたい」とご相談したところ「ならいいよ」とのことで、今回のこのような記事になりました。
重複になりますが、そのような経緯で、詳細情報などは省略させていただきますので、ご了承ください。


さて! このあとも、
「美味しいレモンサワー」
「美味しいレモンサワー」
や、
「ウーロンハイ」に「スナック菓子」
「ウーロンハイ」に「スナック菓子」
なんか癖になる「ハイボール」ふたたび
なんか癖になる「ハイボール」ふたたび
などなど、ふたりして相当に飲み、とても良い時間をすごさせていただきました。

あ、そうだ、今さらですがこちらのお店、メニューに値段が一切書いてないですよね。
が、心配はご無用、この日はこれだけ美味しいお酒とおつまみを飲み食いして、ひとり3,000円。
はっきり言って安い!
なのにマスター、お会計時に「すいません……ふたりで6,000円になっちゃったんだけど……」と申し訳なさそうに。
いや、ぜんぜん高くないですし、そもそもふたりで6,000円にしたのは完全にこっち側の責任ですから!
人が良すぎますってば。
ごちそうさまでした!
ごちそうさまでした!
というわけで、外観のインパクトに惹かれて入ってみれば、想像以上に身も心も満たされる名店との出会いでした。
自分の目の届く規模のお店で、常連さんたち相手に、好きな商売をするマスター、本当に憧れます。
どうしても気になるという方は、とりあえず平山城址公園駅周辺をうろうろしてみれば見つかると思いますが、その日に営業している保証はありませんので、何卒ご容赦ください。
写真を見返すたびに思う「夢だったのかな?」感
写真を見返すたびに思う「夢だったのかな?」感

この記事を書いていて思い出しました。
そういえば、これまでにもいくつか、街を歩いていて、外観に惹かれてふらりと入った「プレハブ系」の酒場があったこと。
例えばこんな
例えばこんな
どこも、びっくりするほどに温かく、そして美味しいものに出会えるお店だったなぁ。
ひとつひとつにゆっくりと再訪しつつ、他にもまたそんなお店に出会えたらいいな、と思う今日このごろ。
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