特集 2017年9月7日

むりやり黄金比を見つけ出したい

美しさの権化、黄金比

黄金比と言えばこの螺旋だろう。一度は見たことがあるかもしれない。
黄金比の長方形から正方形を切り出すと、残りの長方形からさらに正方形が取れて、どんどんと繰り返すことが出来るのだ。
そして、正方形に弧を描くとこんな螺旋になる。

そしてこの螺旋がいろんなものに当てはまるのだ。「黄金比 例」で画像検索するとたくさん出てくる。

世の中こんなに黄金比であふれているのか。
しかし中にはちょっと無理があるのでは…?というような画像もある。
黄金比の螺旋を重ねたらそれっぽく見えるのではないか。

今回はこれを検証したい。

黄金比見つけ出しツールを作る

黄金比の図を風景に重ねるために、今回はアクリル板を用意した。いろんなものに印刷出来るUVプリンターを置いてあるお店に行って、アクリル板にこの図を印刷してやろうという算段だ。
しかし印刷するのが1枚だけだとちょっと恥ずかしい。人の目をめちゃくちゃ気にしてしまうので、えっこのお客さん黄金比の図だけを印刷するつもりなの…?と思われるのを避けたい。

そこで黄金比の図だけでなく、ついでにこれも用意した。
レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図だ。
レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図だ。
ダ・ヴィンチ・コードにも出てきたやつである。これも見たことがある図だと思うのだが、いかがだろうか。
正方形の1辺の長さと、円の半径の比率が黄金比になっているらしい。へー、という感じだ。
ただインターネットの海をさまようと実際には黄金比ではないぞ、という意見も出てくる。考えた結果、黄金比の話になると出てきがちなのと、単純にかっこいいので印刷することにした。

ちなみに人生で始めて有料画像素材を買った。大人の階段をまた一歩登った気がする。

原宿のHappyPrintersというお店に行って、UVプリンターで印刷してもらった。

出来たものがこれだ。
これが黄金比見つけ出しツール(板)だ。
これが黄金比見つけ出しツール(板)だ。
かっこいい。既にしゃれた気分になってくる。

店員のお姉さんに「展示用ですかー?」と聞かれて「え、えぇ…。まぁそんなとこです」とモゴモゴ答えながらの印刷であった。どういう展示なんだ。

早速これを持って街に繰り出そう。黄金比を探しに行くのだ。

探そう、黄金比

!
浅草にやってきた。浅草といえば雷門である。
雷門
雷門
パルテノン神殿には黄金比が含まれているという。昔からあるものには黄金比が隠されているのではないか。
雷門はどうか。一見すると黄金比ではないように見える。絶対違うでしょ…という雷門の声が聞こえてくるようだ。

板を重ねてみた。
意外とアリなのでは!
意外とアリなのでは!
何もない状態では黄金比とは無縁に思えるかもしれない。しかしこの黄金比見つけ出しツール(板)を重ねることで黄金比になっているように見えてきやしないか。
なんだって黄金比と言い張ることが出来る。

お昼に食べた天丼もそうだ。
かき揚げが大きくておいしかった。
かき揚げが大きくておいしかった。
これは普通の天丼である。しかし、ここから黄金比を見つけ出すことが出来る。

こうだ。
湯のみと丼のふちが螺旋に沿ってませんか。
湯のみと丼のふちが螺旋に沿ってませんか。
お茶を組み合わせることで黄金比を発見した。
心なしか天ぷらの衣も黄金に輝いて見える。

さらに丼の丸さを活かした結果、新たな発見も出来た。
天丼とウィトルウィウス的人体図のマッチさよ。
天丼とウィトルウィウス的人体図のマッチさよ。
人体図が丼に内接した。このままインスタに上げたい。
ダ・ヴィンチも天丼と重ねられる日が来るとは思ってなかっただろう。

さらに発見する

なんでも黄金比と言い張れることがわかって気をよくした僕は、さらに黄金比を見つけ出していった。
隅田川を走るボート。
隅田川を走るボート。
横幅がぴったり合ったし、上の首都高の配置もいい。これは完全に黄金比だ。
公園のゴミ箱も黄金比。
公園のゴミ箱も黄金比。
ゴミ箱は完全にサイズがぴったりだ。ゴミを投げ入れたらこの螺旋に沿って入っていくんだろうな、と思わされる。思わずゴミ箱の写真をたくさん撮った。
都営浅草線の隅田川を渡るところのカーブが螺旋にぴったりきた。これは黄金比だ。
都営浅草線の隅田川を渡るところのカーブが螺旋にぴったりきた。これは黄金比だ。
これを発見したときは思わず声を上げた。都営浅草線自体がもはや黄金比と言っていいだろう。

調子に乗ってどんどん探してみた。
アサヒビールの形が印象的なあのビルも黄金比なんじゃないか。
アサヒビールの形が印象的なあのビルも黄金比なんじゃないか。
この本社ビル、聖火台をイメージして建築されたらしい。知らなかった。
聖火台のへりにあたる部分に合わせたら、燃え上がる聖火のオブジェと奥にあるマンションがいい感じに収まったような、収まってないような…。
もういっそスカイツリーも黄金比ですよ。
もういっそスカイツリーも黄金比ですよ。
縦いっぱいに板を合わせた。展望台のところが黄金比の正方形に合わさってるような。そうじゃないような…。


…だんだんわからなくなってしまった。さすがに攻めすぎか。
撮っている最中は「あーここの辺が収まった!黄金比だ!」と盛り上がっていたのだ。板の魔術にやられている。

しかしそんな中でいい発見もあった。
すしざんまいの社長である。
すしざんまいの社長である。
マグロの初セリでおなじみ、すしざんまいの木村社長だ。

これに板を重ね合わせると…
これは!
これは!
めちゃくちゃしっくりきた。社長の左肩のラインが螺旋と同じ曲率なところに美しさを感じる。
マグロ込みでの黄金比だ。さすがすしざんまいだ。
これからはすしざんまいを見かけたら「あー、あの黄金比の!」と思ってしまうこと間違いなしである。

自然界にある黄金比を探す

街並みの中には黄金比であふれていることがわかった。
では、自然界はどうか。アンモナイトの螺旋模様など、黄金比に自然となっている例はある。他にはないだろうか。
上野動物園にやってきた。
上野動物園にやってきた。
思えば人生初の上野動物園である。黄金比を探すという重要任務を背負って入園した。
はい、ゾウです。
はい、ゾウです。
早速ゾウのおでましである。ゾウはでかいな、という自然体の感想が出た。

板を重ねてみる。
いい…。
いい…。

黄金比ではないか。長い鼻の先端がくるっと巻かれているところに螺旋感が感じられる。

体が大きいと板を重ねてもわかりやすい。撮影的にもありがたい動物だ。
サル山に移動した。
サル山に移動した。
サル山は一見黄金比ではない。そりゃそうだろう、とサルも思っていることだろう。
しかし、よく見渡すことで発見することが出来る。
このくぼみの部分が、
このくぼみの部分が、
螺旋の曲線と一致するのだ。
螺旋の曲線と一致するのだ。
サル山は黄金比であった。

隠された黄金比がどんどんと出て来る。もっと探したい!と思ったが、あいにく入園時間が遅かったために屋内に移動してしまっていたり、お客さんが多すぎてうまく撮れなかったりという事態が多発した。
パンダはもう人が多すぎて、その模様から黄金比を探し出そうとしさえした。絶対黄金比じゃない。
パンダはもう人が多すぎて、その模様から黄金比を探し出そうとしさえした。絶対黄金比じゃない。
トラはエサであろう骨だけがポツンと置いてあった。こわい。トラは猛獣なのだ。
トラはエサであろう骨だけがポツンと置いてあった。こわい。トラは猛獣なのだ。

しかし上野動物園もそんな事態を想定してか、解決策を用意してくれていた。動物の像がそこかしこに置いてあるのだ。
この像を使うことで簡単に黄金比を見つけ出すことが出来た。
トラ。黄金のしま模様を持つ動物なだけはある。
トラ。黄金のしま模様を持つ動物なだけはある。
ゴリラの像は子どもたちに大人気だった。たぶん大きさからいってよじ登れるからに違いない。
子どもたちのすき間をぬって黄金比を見つけ出した。遊びの邪魔をしてごめんね・・・。
子どもたちのすき間をぬって黄金比を見つけ出した。遊びの邪魔をしてごめんね・・・。
ウィトルウィウス的人体図も重ねてみた。
ウィトルウィウス的人体図も重ねてみた。
ウィトルウィウス的人体図もいい感じに収まった。ホモ・サピエンスとゴリラ、近しいもの同士惹かれ合うのかもしれない。
何言ってんだろうな、と思ったところで我に返ってしまったので黄金比を探す旅はおしまいだ。

これからも世の中に潜む黄金比を見つけ出すハンターとして世界を暗躍していきたい。

ウィトルウィウス的人体図の使い所のなさ

黄金比の図はどんなものでもしっくり来てしまう魔力を持っていた。
一方でウィトルウィウス的人体図の使い所のなさよ。人体の方が絵力が強すぎて被写体に勝ってしまうのだ。
ウィトルウィウス的人体図はこいつに重ねると良くなるぞ!という情報をご存知の方、ご一報ください。
上野動物園にあった橋の工事案内。かわいい橋の名前と看板のギャップがすごい。
上野動物園にあった橋の工事案内。かわいい橋の名前と看板のギャップがすごい。
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