特集 2016年12月6日

眼鏡専門学校でメガネを学ぶ

メガネ販売店inメガネの学校

眼鏡専門学校の中には、メガネの販売店がある。
正確に言うと、メガネ販売店での業務を体験できる疑似ショップ教室…『メガネファーム』がある。
メガネファーム店内。並んでるダークスーツの人は、実習中の第二眼鏡学科二年生。ピシッとしてる。
メガネファーム店内。並んでるダークスーツの人は、実習中の第二眼鏡学科二年生。ピシッとしてる。
眼鏡専門学校では、最終学年になると実際にメガネ販売店や眼科にインターンとして入れてもらい実地で研修を行う制度がある。
この『メガネファーム』では、そのインターンとして外に出る前の、いわばプレインターン的な授業として、お客さんがメガネを選びに来たところの接客から、実際にメガネを受け渡して代金をもらうところまでをきちんとシミュレートできるようになっている。
並んでいるのは、学校に協賛しているメーカーから提供された、ちゃんとしたフレーム。ただしちょっと型遅れ。
並んでいるのは、学校に協賛しているメーカーから提供された、ちゃんとしたフレーム。ただしちょっと型遅れ。
とは言え、学校見学でこのメガネファームを訪れたところで、見学者がなにかを体験できるわけではない。「はー、こんな設備があるんだな」と納得するぐらいがせいぜいだ。
じゃあなんでここに来たかというと、ちょっとしたオマケがあるのだ。

先生「ここでは、皆さんにメガネをプレゼントいたします」
見学者「えっ」
突然の宣言にちょっと浮き足立つ見学者の皆さん。そりゃそうだろう。
突然の宣言にちょっと浮き足立つ見学者の皆さん。そりゃそうだろう。
なんと、ここで実習を行っている先輩の手によって、新しくメガネを1本作ってもらえるというのだ。
マジか。(一瞬喜んだけど、僕は見学じゃなくて取材なのでメガネプレゼントは無し)

視力の測定やレンズの削りだしなど一連の「メガネの作り方」を見学してきただけに、最後にその総まとめとして完成品のメガネを作ってもらえるのはかなり嬉しい。

メガネの学校で眼を作る

さて、この学校説明会のラストを飾る目玉イベントが「目玉を作る」というもの。
こちらとしても「説明会の目玉は「目玉を作る」です」って校長先生から言われても、何が何だか。
小学校理科の授業みのある品揃え。
小学校理科の授業みのある品揃え。
実際、参加者全員が「何が何だか…」みたいな表情で最初に説明を受けた会議室に戻ると、机の上には工作キット的なものが揃っていた。
材料としては、紙コップ2つに薄いビニール、ルーペ、レンズを使うようだ。
紙コップで工作って久しぶりだな。
紙コップで工作って久しぶりだな。
紙コップの底をくりぬいてルーペを貼り付けたり、コップの口にビニールをピンと張って貼り付けたり…と、なんというか懐かしい感じの工作をちまちま行うこと5分。
これが「目玉」のモデル。小学校理科の授業をちゃんと憶えてたら、どういう意味か分かるはず。
これが「目玉」のモデル。小学校理科の授業をちゃんと憶えてたら、どういう意味か分かるはず。
ルーペのついた方のコップに、ビニールを貼ったコップを重ねれば「目玉」の完成だ。
ざっくり模式図。「めのしくみ」みたいな内容で習ったと思う。
ざっくり模式図。「めのしくみ」みたいな内容で習ったと思う。
要するに、眼球でモノを見ると、眼球の凸レンズ(水晶体)を通してその像が網膜に反転して映るのだが、水晶体をルーペ、網膜をビニールに置き換えたのが、いま作った目玉モデルというわけ。
理屈は分かっていても、かなり楽しい。
理屈は分かっていても、かなり楽しい。
おおー、逆さに映ってる。
おおー、逆さに映ってる。
この2つの紙コップを少しずつ近付けたり遠ざけたりすると、ピントが合わずぼやけた像が映る。この状態がいわゆる近視や遠視というやつだ。
で、紙コップ目玉が近視の時に、ルーペの前にレンズをかざすとちゃんとくっきり見えるようになる。これが、メガネをかけた状態である。
レンズをかざすとよく見える。メガネを初めてかけた時の感動、アゲイン。
レンズをかざすとよく見える。メガネを初めてかけた時の感動、アゲイン。
子供の実験じみた工作だが、メガネについて学ぶなら当然こういうことも理解しておくべきなのだ。
…という流れで、学校では目の仕組みや光学についても勉強しますよ、と締めくくって、東京眼鏡専門学校の説明会は終了となる。

在校生はメガネ好きなのか

ひとまず学校の中はざっと見て回れたわけだが、ひとつ気になることが解決していない。
この学校の生徒は、どういう理由でメガネの学校に入学したのか?メガネ好きなの?ということだ。
メガネをチャッと直すポーズしてくださいと頼んだら、恥ずかしがりつつも対応してくれた。ありがとうございます。
メガネをチャッと直すポーズしてくださいと頼んだら、恥ずかしがりつつも対応してくれた。ありがとうございます。
そういうことは直接に聞かないと分からないので、メガネ女子にして東京眼鏡専門学校の最上級生、今回のチューターもやってくださった川村さんと加藤さんに伺ってみた。
川村「えー、そもそも単純にメガネが好きなんですw。で、メガネを新調しようと検索していたら「認定眼鏡士」という資格があると知りまして。この学校を卒業すると「認定眼鏡士」のSS級というのが取得できるんですね。強そうでいいなぁ、と」
ちなみに通信教育だとS級。実務を数年経て受験できるのが最上位のSSS級だそうだ。確かに欲しい。眼鏡士SSS級。メガネ魔法とか使えるに違いない。
加藤「私は高校で次の進路を考えている時に、専門学校の紹介サイトで「医療系」とか「体育系」といった中で「メガネ・コンタクト」というカテゴリを見つけまして。気になって説明会に来てみたら、資格も取れるし就職にも有利ということで入学しました」、と」
メガネを洗浄しながらメガネ談義を始める生徒の皆さん。メガネすごい好きだな。
メガネを洗浄しながらメガネ談義を始める生徒の皆さん。メガネすごい好きだな。
あれ、じゃあ加藤さんは別にメガネのこと好きじゃないのかな?と思ったら大間違いだ。

実はこの話を聞く前に、模擬店メガネファームで学校見学者&僕のメガネを洗浄してもらうという一幕があったのだが、それぞれ洗ってるメガネのフレームやレンズについて、川村さん加藤さん始めその場にいた生徒全員が「このフレームは」「鼻当てが」などいちいち細かくチェックしだすのだ。

さすが、こういう環境で2年3年といるだけで、誰でも間違いなく相当なメガネ好きになってしまうようだ。

ついでに川村さん加藤さんに「得意科目ってありますか」と聞いたところ、加藤さんは「レンズの削り出しなど加工分野が得意」、加藤さんは「加工も好きだけど視力の測定がすごく好き」とのことだった。

加工が面白いのは理解できるが、視力測定が好き、というのはなかなか分かりづらそうだ。
就職を目標に入学した加藤さんが、眼鏡関係における独自性の強い「好き」に踏み込んでいる感じは、すごくいいなと思った次第である。

ちなみに学校説明会は、今後も来年3月まで毎月開催されるとのこと。次世代のメガネ業界を担わんとする人は、ホームページを確認の上、ぜひ行ってみて欲しい。

取材協力 東京眼鏡専門学校
図書館には、「月刊眼鏡」「THE EYES」「眼鏡新聞」など業界誌も多数揃う。
図書館には、「月刊眼鏡」「THE EYES」「眼鏡新聞」など業界誌も多数揃う。
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