特集 2016年12月3日

11月の記事ベスト5&おれたち優勝した

30年前事故を起こしたチェルノブイリ原発を見に行った。いざ目の前にしたら、「すごい!」と思うと同時に「ふつうだ」とも思った。

老眼は成長

大山「ここ半年ぐらい、肩が痛くて。どうも四十肩ではないかと」

藤原「おお、うわさに聞く四十肩」

大山「あと老眼もはじまりました。せつないです」

藤原「メキメキと成長してますね」

大山「成長! そうか、成長なのか」

藤原「細かい文字とは決別した感じですか」

大山「まだ右目だけ老眼という中途半端な成長なんですよ」

藤原「まだ左目が右目に追いついてない状態ですね」

大山「文字サイズを大きくするのは「成長」を認めたことになるのでは、と無理にがんばっています」

藤原「老眼だと小さい文字は見づらくなりますが、大きいものははっきり見るんですよね。チェルノブイリの新石棺とか」

大山「すごくスムーズに本題にいきましたね」

藤原「よく繋がったなと思います」

大山「見事です。まちがってますけど。確かに新石棺には成長は関係ないです。それぐらいでかい」

でかい

大山「正直、現場では興奮しててよく見えてなかったです。後から写真見ていろいろ気づきました。老眼より興奮のほうが問題ということです」

藤原「てっぺんにもやがかかってる写真で、これはでかすぎるなと思いました」

大山「あのもやはよかったです」
もやがかかるほど巨大な新石棺
もやがかかるほど巨大な新石棺
藤原「結構な心づもりで行ったと思うんですけど、それでもよく見えなくなるくらい興奮したんですね」

大山「天候が悪かったのと(ずっと雨だった)、バスの移動で疲れちゃったのと、寒いのと、などと興奮がないまぜになって、そういう状態になったのだと思います。
「じっくり見る」って安定したコンディション必要なんだな、と思いました。
もやは「雨でかえってよかったですね」って言い聞かせてました。

「興奮」って言いましたけど、自分の心理状況を的確に表現するの難しいですよね。「疲れてた」でもあってるかも」


藤原「「どうかしてた」とか」

大山「今回、行く前から「これはDPZで書かなくては」って思ってたんですけど、言ってる間じゅう「これはどうやって表現したらいいのか」って悩んでました。

たぶんライターみなさんそうだと思うんですけど、旅行にでかけてても記事のことが頭にある、って。自分がどう感じてるかをその場で考えると、よくわからなくなりますよ」

思いがほとばしりがち

藤原「あの記事を読んですごくいいなと思ったのは半分くらい原発の説明なんですけど、もう半分は大山さんの「これどう書こう」みたいなゆらぎの話で、異常に臨場感があるところでした」

大山「さいしょは徹頭徹尾「すげー」「かっこいい!」だけ書こうと思ったんですけど、さすがにこれはないな、と思い直して書き直しました。」
とは言え、かっこいい
とは言え、かっこいい
大山「今思えば、「すげー!」だけの記事にすればよかった、とも。ついまじめ風なことかいちゃって「チェルノブイリに負けた」って思いました。DPZなのに、これでいいのか、って。

などなど、いろいろ悩んだあげく「ふつう」って言っちゃって」


藤原「そういう、思いがほとばしる記事たまにありますよね。だから全然いいと思います」

大山「さいきん、思いがほとばしりがちなんですよ。これも「成長」の一種でしょうか。やだなあ」

藤原「思春期ですね」

大山「たぶん「涙もろくなる」に似た老化なのではないかと。でもDPZにふさわしく感じよう、と現地でも思っていたせいで、チェルノブイリに飲まれずにすんだ面もあって、それがよかったです」

藤原「まるごしで行ったらどうなるかわからないですね」

大山「まるごしはやばいと思います」

藤原「すっかり感化というか感染して帰ってきそうです」
送電線もいいですよね
送電線もいいですよね

修学旅行みたいだった

大山「あと、ひとりとか少人数のグループだったらまずかったかと。今回30人以上いたので、修学旅行みたいでよかったです。バスないとか完全に修学旅行」

藤原「けっこうな大所帯。ゲンロンのツアーだったんですよね」

大山「「ウェーイ」系とかヤンキー系がいない修学旅行で居心地がよかったです。
ぼくが申し込みしたときは確か15人ぐらいで、(ゲンロンの)東さんに「参加者募集の対談を一緒にやって」っていわれて、ニコ生でふたりで「たのしみですねー」って話したんですけど、
そのときぼくが「でかいの見るのが楽しみ!」「すごそう!」「かっこよさそう!」ってばかり言ってたらいっきに30人に増えちゃったとのこと。

藤原「おお! すごい宣伝効果!」

大山「今までで最大人数だそうです。
たぶんみんな「真剣な気持ちじゃないと行っちゃいけないんだろうな」って思ってたんだと思います。
そこに、ばかみたいにぼくが「かっこよさそう!」ってだけ言ってたので、「あ、ああいう乗りでもいいんだ」って」


藤原「他の人は現地でどんな感じでしたか。興奮してました?」

大山「みなさんエキサイトしてましたよ、やっぱり。けっこう和気藹々としてました」
そりゃ興奮するでしょう
そりゃ興奮するでしょう
大山「さっきも言ったように、コンディションが悪くて、けっこうつらかったせいで、お互い励まし合ってる感じ」

藤原「一体感ありましたね」

大山「あれ、ほんとおだやかで楽な状態だったら、あんなふうに和気藹々にならなかったのではないかと。
たぶん「深刻に受け止める」って、余裕の産物ですよ。つらいと、楽しくしちゃう」

チェルノブイリ婚活、いやどうだろう

藤原「あのコーディネーターの人のおかげで中を見られるようになったとき、ものすごい盛り上がってましたね」

大山「あれはほんとうに感動でした。「うおーーーー!」って慣性あげたあと、みんな「原発は入れる、ってことにエキサイトする、ってどうなんだ」って思ったと思います」

藤原「優勝したみたいになってました」

大山「優勝でしたよ、おれたち優勝した」
優勝した瞬間
優勝した瞬間
藤原「読んでて「おめでとう!」という気分になりました。あとはやく中を見せろ!という気分にも」

大山「ああ、わかります。自分で記事書いてて「いつになったら中の写真見せるんだ」って思いました。
しびれ切らして、あのページまでたどり着いてない読者いますよねきっと」


藤原「冒頭で見せられてるから、見られるんだろうけどじらされました」

大山「そうですそうです。トップ画像に内部の写真入れとかないとだめだなこれ、ってあとから入れ替えました。

実はあの「入れる!」にたどりつくまでほんとうはもっと紆余曲折があって。「こうしたら入れるかも!」→「だめでした」→「こういう手も!」→「だめみたい」を5回ぐらい繰り返したあげくだったので」


藤原「その展開、完全に映画じゃないですか」

大山「映画で主人公たちがやたら団結しちゃう気持ち、わかりました。人は困難をいっしょに乗り越えると、簡単に団結しちゃうんですよ。危険ですね」

藤原「シン・ゴジラもだいたいそういう話でした」

大山「今後はなるべく困難を乗り越えないように注意したいとおもいます。これも吊り橋効果的なものでしょうか」

藤原「デートに最適ですね」

大山「最適です。おすすめです。

いやどうだろう。

チェルノブイリ婚活とかいいかも。

いやどうだろう」


藤原「平穏無事に進んでも中央制御室のコントロールパネルみたら絶対ドキドキしそうです」

大山「あそこはいるときには白衣みたいなもの着せられるので、そういうコスプレ的な要素も一役買うと思います」
ドキドキしますね
ドキドキしますね

ちょっともうしわけない

大山「今回の記事書いて、ちょっと申し訳ないなー、と思ったのは、一緒にいった彼らに対してです」

藤原「どうしてですか?」

大山「こうやって発表されて、それ読んじゃうと、自分もそう感じてたかのようになっちゃうじゃないですか」

藤原「そうですね。自分の感想がどっかにいっちゃうことあります」

大山「あの記事が体験を固定しちゃうのでは、と。みんなまだ覚えているうちに記事書いてほしいです」

藤原「ガイドみたいな感じで」

大山「あ、それでいうと道中、東さんが要所要所でコメントしたんですけど、それにけっこう引っ張られてたなー、とも思います。なんか自分が頭よくなったかのように感じました」


大山「今回書いたのって、全体の行程の1/4ぐらいなので、続きをまた書きます」

藤原「1ページで1記事分の分量ありましたけど、それで1/4だと20記事分ですね」

大山「今書いてますけど(この対談は昨日の記事が執筆される前に行われました)、やっぱり悩みますね。
原発事故によって廃虚になったユートピアの街のこと。あとOTHレーダーってでっかいすごいもの。」
OTH(オーバー・ザ・ホライズン)レーダー!
OTH(オーバー・ザ・ホライズン)レーダー!
大山「あと、睡眠時間削ってキエフの団地にも行ったのでその話もあります!」

藤原「団地!」

大山「団地です! 団地行かないわけがない」

藤原「しかも旧ソ連圏の団地! 行かないわけないですね」

大山「共産デザインと団地のマッチ具合がやばかったです」
団地!
団地!
藤原「たのしみです!」

大山「どの内容の分量で1記事にするか、って悩みますよね。引き延ばして薄くするのも何だし、って思っていつももりこんじゃう」

藤原「大山さんの記事はいつも読み応えあっていいです。昼休みなくなる人多そうです」

大山「あと、肩はやっぱり病院行った方がいいのかな、とも思ってます」

藤原「肩の成長は病院行って抑えましょう!」

大山「そうします! 藤原さんもいつか成長すると思います」

藤原「はやく「老眼がきた」って言いたいです(言いたくない)」
つづいてはライターのぬっきぃさんのインタビューです。
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