特集 2015年9月15日

完成度の低いロボット大集合!水ヘボコン・ミニヘボコン レポート

審査員がマジ

ところで、ヘボコンはトーナメント戦の形をとっているが、優勝者はそんなに偉くないことになっている。技術力の低いロボットの集まりとはいえ、優勝は比較的、技術高めなロボットが獲得してしまいがちだからだ。

「ヘボい者が偉い」という価値観だから、優勝より審査員賞のほうが偉い。そう決めている。そんなカルチャーのもとに、プロの視点で毎試合「最もヘボいロボット」を決定してくれたのが、
審査員の増田さんである。
審査員の増田さんである。
NPO日本水中ロボネット 増田殊大さん。学生時代から戦車・潜水ロボット・人力飛行機などを製作し、現在では水中ロボットの広報・啓蒙活動を行うとともに、本業では海底探査機などの設計・制作も手掛けている。
いわゆる、本職の人である。

試合中は解説を担当していただいたのだが、ヘボいロボットを愛でつつも、その構造や機能面について技術的な説明を加えてくれる。そのロボットが「どうヘボいのか」丸裸にしてしまうという、圧倒的なコメント力であった。
イベントの様子をダイジェスト動画でどうぞ。

そんな大会の結果は

この水ヘボコンは、DIYの展示交流会「Maker Faire Tokyo 2015」の中で開催。2日間の会期中に、3回のミニトーナメントを行った。それぞれの受賞ロボットをここでお知らせしよう。
第1回

審査員賞

桃太郎(松本ジュンイチロー)
桃太郎(松本ジュンイチロー)
練習段階ではいい走りを見せたが、重心が高すぎてバランスを崩しやすく、試合開始と同時にコインを落としてしまったこちらのロボットが審査員賞。バランスをとるため周りに「浮き」っぽいものが付いているが「これは機能してませんねー」(審査員・増田さん)

優勝

流れそうめん(OG技研)
流れそうめん(OG技研)
水中モーターの推進力でそうめんを落としながら進む、流しそうめんをコンセプトにしたマシン。
審査員の増田さん曰く「飛行機でも船でも細長い形のほうが流体抵抗が小さく安定性を保てる」そうで、偶然にも理想的なフォルムを実装していたマシンである。
決勝戦の様子(流れそうめん(OG技研) vs ヒゲライブ!(わわわ))
みんなが工夫して作ってきたマシンの数々を、たまたま偶然いい形だっただけの流れそうめんが次々打ち破っていく様は、「知性の敗北」といった趣があった。
第2回

審査員賞

和風きのこパスタ(明比建)
和風きのこパスタ(明比建)
「使いようによってはペットボトルくらい余裕で吹き飛ばすパワーを持つドライアイスなんですが、にもかかわらず、それを『ザルに入れて水をかけただけ』というおざなりな使い方をした」(増田さん)ということで、こちらのロボットが審査員賞を受賞。
「使いようによってはペットボトルくらい余裕で吹き飛ばすパワーを持つドライアイスなんですが、にもかかわらず、それを『ザルに入れて水をかけただけ』というおざなりな使い方をした」(増田さん)ということで、こちらのロボットが審査員賞を受賞。

優勝

一夜漬け号(福井創太)
一夜漬け号(福井創太)
もはやヘボコンレベルを超越して普通に完成度が高かった優勝機。水中にスクリューを装備しておらず、推進力はホバークラフトのような後方上部についたプロペラのみ。にもかかわらずかなりのスピードを実現していた。
決勝戦の様子(一夜漬け号(福井創太) vs へまぼこ(アバ))
第3回

審査員賞

名称不明(うちだじゅり)
名称不明(うちだじゅり)
最終回は食品トレーとペットボトルを組み合わせた、夏休みの工作っぽいロボットが多数登場。そんな中、審査員賞は「もっとも『学校に持っていく間に壊れそう』だった」(増田さん)こちらのロボットが受賞。

優勝

戦艦ホイホイ(店長)
戦艦ホイホイ(店長)
船体が紙、という童話なら真っ先に沈むであろうスペックのマシンが意外にも優勝。水中モーターでなく、ギアボックスを使って自力で実装したパドルホイールの馬力が効いたか。(水中モーターは電池1本、こちらはたぶん2本)
決勝戦の様子(戦艦ホイホイ(店長) vs 名称不明(うちだじゅり))
ちなみにギアボックスを使ったマシンはほかにも何体かいたのだが、全員、水中対応してない部品を全く気にせず水に沈める、という男気あふれる実装だった。

ヘボコンの原初を見た

初開催の水ヘボコンは、まだノウハウが蓄積されていないといった感じで、ヘボコンの原点に立ち返ったような楽しさ/ヘボさがあった。主催者サイドとしては大変感慨深いイベントでございました。

次のページからは同時開催のミニヘボコン。こちらはいつものロボット相撲スタイルです。
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