特集 2015年5月20日

ハブに振り回されて石垣島めぐり

情報はいろいろ入る、つまりハブはかなりいる

翌日、その名蔵地域を視察。
薮に飛び込む勇気はないのでこんな感じの道を探す。
薮に飛び込む勇気はないのでこんな感じの道を探す。
いそうかどうかと言えばどこもいそうな雰囲気だ。
名蔵ダム付近も夜は暗くなりそうだ(実際暗かった)
名蔵ダム付近も夜は暗くなりそうだ(実際暗かった)
うろうろしていたら目の前に巨大なアンテナのような建造物があらわれた。
ただただかっこいい!
ただただかっこいい!
これ1台で世界中の衛星放送が視聴できそうだがマスプロのアンテナかなにかと一緒にしてはいけない。これは国立天文台VERA石垣島観測局の電波望遠鏡である。
スタッフの方の話によると、この石垣島をはじめ日本列島の4カ所に配置された巨大な電波望遠鏡により従来の100倍の精度で銀河系の観測が可能、その精度は月面上の1円玉を判別できるほどだという。
説明看板より。列島の4つの電波望遠鏡で同時に観測する事で巨大な望遠鏡として機能させるという、田中角栄や天海僧正なみにロマンのある話。
説明看板より。列島の4つの電波望遠鏡で同時に観測する事で巨大な望遠鏡として機能させるという、田中角栄や天海僧正なみにロマンのある話。
すごい。月の1円玉なんかに比べたら石垣島のハブなんて近いし大きいし、どこにいるかわからないですか。
「ハブね、このへんかなり出ますよ。ただ、活動はこれからかな」
「あとね、あくまで私の感覚だけど今年はいつもより寒い日が多いですよ」
ああ、また時期という超えられないハードルが立ちはだかる。
しかし、また、新しいスポットを聞くことができた。
「石垣島の国立天文台に向かう林道で何度かハブを見てますよ、あそこはうっそうとしていていい感じだと思いますよ。たしかハブ捕りの人もうろついていたような」
ここか!
ハコガメも通るのか!
ハコガメも通るのか!
いい林道だ。このあたりはいるな、感じるんだ。
夕方から雨が降り出し、強風が吹き荒んだ。俺が沖縄行く時はいつも寒いな、なんなんだ。とうらみごとをつぶやきながら夜の林道を散策。
いい感じなんだけどさびしい…
いい感じなんだけどさびしい…
オオサキシマガエルやヒメアマガエルはぴんぴん跳ねているのだが……。
オオサキシマガエルやヒメアマガエルはぴんぴん跳ねているのだが……。
最後の夜だというのにまたもカエルのみに終わった。感じた何かは勘違いだった。

なぜか景勝地へ

翌朝、最後の望みをかけ林道を再び探索する。ものすごくでかい物体がたむろしていて身構えたが野生化したクジャクの群れだった。
オスがたくさんのメスをひきつれてドヤ顔で歩いていた。
オスがたくさんのメスをひきつれてドヤ顔で歩いていた。
黄金に輝く繭を作る蝶、オオゴマダラ。
黄金に輝く繭を作る蝶、オオゴマダラ。
1000km以上を飛んで移動する「渡り蝶」アサギマダラ。
1000km以上を飛んで移動する「渡り蝶」アサギマダラ。
緑の矢のごときスピードで横切っていたサキシマカナヘビ。
緑の矢のごときスピードで横切っていたサキシマカナヘビ。
やがて前方にクジャクよりもひときわ大きな物陰が…
人だ!
人だ!
初老の夫婦が草を刈っていた。
「ずいぶんとでかいカメラですね」旦那さんに話かけられた。
営業力すごいな、カメラ。
営業力すごいな、カメラ。
「ハブはまだでないだろ、カメはいるかもな」
ハブ話をあっさり跳ね返されたがここで重要な提言が飛び出した。
「ハブはあれだよ、カビラ公園で見られるんじゃないか」
--え?カビラ?っていう公園があるんですか。
「そうそう、まあでも7年くらい前に見たっきりだけどなあ」

カビラ、そうかバンナ公園みたいな自然公園がまだ存在するのか。カビラ、カビラとカーナビで探索、あ、川平って書くのね、おお、ここから北に1時間足らずか。飛行機にはまだ間に合うな、レッツゴー!
あれ?
あれ?
あれ??なんかブリリアントなんだけど。
あれ??なんかブリリアントなんだけど。
カーナビはたしかに目的地に近づいたのでもうナビゲーションしませんと言っている。しかし眼前に広がるのはうっそうとした森ではなく、エメラルドグリーンのビーチ。グラスボートに観光客が列を作り、カップルが自撮りしながら微笑んでいる。
知らなかった私もそうとうだが、川平公園とは石垣島を代表する景勝地、川平湾に隣接した公園だったのだ。
見た事がない乳酸飲料を飲んで心を落ち着けよう。
見た事がない乳酸飲料を飲んで心を落ち着けよう。
まったくもってどうしていいかわからなくなったので土産店で「あの……このへんでハブって見られますかね」とたずねてみる。
「でない事もないだろうけど全然見ないですよ。あ、カビラガーデンっていうお店の中でハブ展示してましたけど今はもうやってないんじゃないかしら」

ハブ展示…そうか、林道で会ったおじさんに私は「野生の」ハブが見たいとは言わなかった。それで彼はヤマビルやクジャクの群れなどにおびえることもなくお手軽に出会える場所を提案してくれたのだろう。
カビラガーデン内、広いホールの奥になにか見える。
カビラガーデン内、広いホールの奥になにか見える。
ハブ弁天様、供養の祠!
ハブ弁天様、供養の祠!
2000年まで行われていたハブとマングースの決闘ショーで死亡した多くのハブを供養するために作られた祠だという。
10年ほど前沖縄に行った時にショーのかわりに上映していた決闘の3DCGムービーを思い出した。ポリゴンで作られたハブがシャッ、シャッと首を投げだし飛びかかるも、カクカクしたマングーズに瞬殺される。グラフィックスの中でもやられまくるハブを見て、ああこの世界は様々な哀しみで満ちあふれているのだなあと感じたのだった。
背後にはガラスケースたちが!さてはこれがハブ展示!
背後にはガラスケースたちが!さてはこれがハブ展示!
平成23年で閉館とのこと。
平成23年で閉館とのこと。
ハブ館と呼ばれていたこの施設はすでに閉館しており、結局サキシマハブを見る事はかなわなかった。しかし教えてくれたおじさんありがとう、川平湾は風光明媚でいい所でした。
結局、この後寄った石垣市の公設市場の土産店でも「ハブ?まだはやいでしょ」と言われて帰路についた。
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