特集 2015年4月28日

競技人口1名!インドの柱の体操をただ一人日本でやる男

パンツ一丁でやるらしい

本来は裸にパンツ一丁でこのチークの柱にしがみつくらしいが、より簡単に服を着てできるようにしたという。

ボロボロになってもいい服とマスクという格好に着替えた及川さん。これから技を見せてくれるというが、格好は大そうじのそれだ。
ボロボロになっていい服を練習着として、ヨガマットからはカスが出るので口もとにはマスク、足は金具などにひっかけないよう二重にくつ下をはくという。はたしてこれがスポーツをする人なのか。大そうじじゃないのか。
ボロボロになっていい服を練習着として、ヨガマットからはカスが出るので口もとにはマスク、足は金具などにひっかけないよう二重にくつ下をはくという。はたしてこれがスポーツをする人なのか。大そうじじゃないのか。
やる前のお祈り。グラウンドに礼みたいなもの? ときいたら及川さんにとってはそんな感じだが、インドの人にとって柱は神様扱いらしい。本気のお祈りだそうだ
やる前のお祈り。グラウンドに礼みたいなもの? ときいたら及川さんにとってはそんな感じだが、インドの人にとって柱は神様扱いらしい。本気のお祈りだそうだ
ここから柱を投げるような力の入れ方で…
ここから柱を投げるような力の入れ方で…
自分がひっくりかえって挟む。これが基本形
自分がひっくりかえって挟む。これが基本形
もうひとつ、引っこ抜くような力の入れ方で…
もうひとつ、引っこ抜くような力の入れ方で…
ひっくり返って挟む。この2つの基本形で成り立ってるそうだ
ひっくり返って挟む。この2つの基本形で成り立ってるそうだ

簡単そうにやるけれど…

YouTubeで見た及川さんは簡単そうにくるくる回っていたが、間近で見ると息が切れる音や、服のすれる音から相当な重さが運動してるのがわかる。

競技では1分半これをやるらしいが、相当きつそうだ。

「ドイツのケルン大学のある先生がした調査で3ヶ月で筋肉を鍛えるのにもっとも効率的なトレーニング方法だとわかったと、そうインドできいたんですけど。

その調査があった証拠はどこですか?ときいたらそれは今なくしてしまってないんだというし、ネット上からケルン大学にその情報もないし…」


今はなくしてしまったというインドの先生の言葉に小学校時代の思い出がよぎる。
筆者も挑戦させてもらったがどう力を入れればいいのかまったくわからない
筆者も挑戦させてもらったがどう力を入れればいいのかまったくわからない
「でも体の負荷はかなり高いですけどね。相当力は強くなりますよ」

筆者もやらせてもらったが、むずかしくて何ひとつできない。力の入れ方がイメージできないし自分の体重を持ち上げる筋力もなかった。

――……これってスポーツとしての楽しさはどのあたりにあるんですか?

「楽しさは…やっぱり自己満足ですからね。あれできた、これできたっていう。(体操と同じ感覚?)ちょっとやっぱちがいますね、体操はこんなに痛くないですからね」

及川さんが語るマラカーンブの圧倒的なデメリット。それが痛みらしい。
手伝ってくれたができない。筋力も足らなければ動かし方もイメージできない。むずい。最初のハードルが高い。楽しさが全くわからない
手伝ってくれたができない。筋力も足らなければ動かし方もイメージできない。むずい。最初のハードルが高い。楽しさが全くわからない

痛いので人に勧めない

「これきついのが分かってるので人におすすめする気はないですね。痛いんです。

裸でやると、体と柱の摩擦だったり足のグリップが痛かったり。

身軽な人でいくらマラカーンブにむいてたとしてもやっぱり痛みがありますから、慣れが必要ですね。毎日やるような人は痛くなくなります。

ぼくも今は痛いのであんまりやってないんですけど。まあこういう風に服を着てやると痛くないですね」
最後にデモンストレーションを及川さんがしてくれた。一度柱を持ってみるとこれはできないと実感できるが、(和室に柱を立ててこの人はなんでクルクル回ってるんだろう…?)と思う人の気持ちもわかる

今は一人、今後も広めていかない

――競技人口は1人なんですね

「そこになんというか絶望感みたいなもの漂ってますかね(笑)

(張り合いは?)あ、ないですね。張り合う相手はいないですから。インドの先生とか仲間の反応は励ましになりますけど日本にはいないですから。

それでもやっぱり人にすすめようとは思わないですけどね。

この柱は持ち運びも大変なので。スペースも必要ですしね。 外でできればいいんですけど、外でやってたら相当な変人ですよね。

(教室を開いて普及?)若いころとちがってあれこれできないし、人を募ろうとも思わない。日本人の情報提供者としては機能するかなと思いますけど。拡げるならインドの人に拡げてもらいたいですね」


教えてほしいとかやりたいという人がいれば拒否はしないですけど、という及川さん。

マラカーンブすごいなと思ってたけど、この覚悟の要りよう、相当大変なスポーツなんだな。
きついので人にはお勧めしないという及川さん。これは今後も競技人口1人の可能性出てきた。すごいスポーツだ
きついので人にはお勧めしないという及川さん。これは今後も競技人口1人の可能性出てきた。すごいスポーツだ

そもそも裸なうえに痛い

パンツ一丁になって柱の上でくるくる回って変だなあと軽い気持ちで見ていたマラカーンブであったが、間近で見たそれは決して軽いものではなく、重くうけとめたうえで変だった。

体が痛い、相当な運動負荷、日本の住宅事情、危険だし、パンツ一丁だ。だからこそ「変だ、変だ」とさわいでいたものが非常にありがたみのある「変だ」になってきた。これは大変な思いをして獲得してきた変さだ。

海外から大変な苦労をして文化や商品を持ち帰ってきて、そして広めない。そういうケースもあるのだ。

(※及川さんにマラカーンブについて教えてほしいという人がいたら冒頭のYouTube動画のアカウントからコンタクトをとってみるといいと思います)
柱に組体操するものもマラカーンブ。インドの人、こういうのよくやってるよな…
柱に組体操するものもマラカーンブ。インドの人、こういうのよくやってるよな…
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