特集 2015年4月22日

滋賀の選挙は『のぼり旗』が乱立している

候補者ごとにイメージカラーがある

選挙の時期に滋賀(義母が住んでいる日野町など)に行くと、交差点などになにも書かれていないのぼり旗が立っている。
ここは青陣営の交差点だ。
ここは青陣営の交差点だ。
場所を変えると、この家の花壇には緑色の旗が立っている。色はそれぞれ違うが、単色で構成されており、縦長ののぼり旗であるという点は共通している。
たいてい同じ場所に数本立つ事が多いが、個人宅などは1本だけだったりする。
たいてい同じ場所に数本立つ事が多いが、個人宅などは1本だけだったりする。
候補者の選挙事務所みたいな場所には何本もの旗が立ち、交差点の角それぞれに数人ずつの運動員がいた。
本拠地の交差点はすごい事になっている。
本拠地の交差点はすごい事になっている。

そういえば数年前も見た

以前当サイトで『滋賀県、奇祭、ホイノボリを見てきた』という記事を書いたが、ホイノボリの会場におそろいのジャンパーを来た候補者と運動員が現われた事があった。
そういえばホイノボリには赤いのぼり旗が付いていた。
そういえばホイノボリには赤いのぼり旗が付いていた。
今こうして写真を見直すと、ホイノボリの支柱には赤いのぼり旗が付いている。滋賀の人はのぼり旗が好きなのだろうか。
なかなかに壮観である。
なかなかに壮観である。
ホイノボリの取材だったのであまり写真は残っていないが、青い候補者と緑の候補者が廻っていたように記憶している。

候補者本人は名前入りのたすきを掛けて、その後ろを青いジャンパーの運動員が歩いていた。
青いジャンパーであればいいらしく、微妙に色味が違ったりもする。
青いジャンパーであればいいらしく、微妙に色味が違ったりもする。
一方で、のぼり旗やジャンパーだけでなく車のサイドミラーにイメージカラーのリボンを付けてたりもする。ようはのぼり旗限定ではなく、候補者のイメージカラーを目立つところに展示するのが重要なのらしい。
こういうのもあります。
こういうのもあります。

どういう事か聞いてみた

さて、こんな感じでイメージカラーを前面にだした運動をする滋賀の候補者陣営なんだけど、どうしてこういうことになっているのか?

聞いてみました。
陣営の本部前です。
陣営の本部前です。

青陣営に聞いてみた

青陣営は駐車場にテントを建てて本部としていた。そこには沢山ののぼり旗を積んだ軽トラが停まっていて、近くにニコニコしたおじさんが立っていたので、どういう事なのか聞いてみることにした
軽トラにでのぼり旗を配達に行くらしい。
軽トラにでのぼり旗を配達に行くらしい。
筆者「他の県ではこういう、単色の旗を選挙で使うのを見た事がないんですが、この色はどうやって決まってるんですか?」

オジサン「よそではやってないんですか。色はね、それぞれ勝手に決めるんですよ」

筆者「え、選挙管理員会が決めるとか話し合いとかじゃないんですか?」

オジサン「そういうのはないですよ。要は早いもの勝ちで、空いてる色を選ぶんよ。今回この人は発選挙なんだけど、青は誰も使ってなかったから青を使ってるわけ。琵琶湖の青って意味もあるけど」

との事だった。まさか勝手に色を決めて勝手にやってるだけだったとは。イメージカラーなので、一度その色と人が関連づけられてしまうと、別の人が同じ選挙で同じ色を使っても、先に使った人を有利にするだけって事なのだ。

オジサン「だから、今回は県の選挙だけど国の選挙になれば他の人が青を使う事になるんですよ」

なるほど、そしたら例えば有名な国会議員と同じ色を使うと、町議会の選挙なんかで良いイメージが付いたり、逆に汚職議員と同じ色だと不利になったりしそう。色選びも簡単じゃない。
選挙自体ののぼり旗は白。この旗自体あんまり他では見ない気がする。
選挙自体ののぼり旗は白。この旗自体あんまり他では見ない気がする。
ところで、青陣営で話を聞いていると、なんだかチラチラと視線が気になる。あ、と気付いたのだが、緑色のライトダウンを来ていたのだった。
敵のスパイとでも思われただろうか。
敵のスパイとでも思われただろうか。

次は緑陣営だ

緑陣営だ、と言っても選挙事務所がどこにあるのか判らない。地元に住んでいる義母の運転であちこちを探して、ようやくあったと思ったらモスバーガーだった。
緑陣営!かと思ったら、
緑陣営!かと思ったら、
モスバーガーでした。
モスバーガーでした。

発見、緑陣営だ

緑陣営の事務所前にはたくさんの緑な人たちがいて、のぼり旗の配布などをしていたっぽい。みんな緑色のジャンパーと帽子を装備していた。

いきなり現われた僕らに「誰だこいつら」って顔をしつつ、緑色のダウンを着てるので「あれ、支持者か?」みたいな戸惑いが感じられた。
みんなおそろいだぜ。
みんなおそろいだぜ。
写真を撮らせてもらっていたら、義母がずいずいと選挙事務所に入っていった。え、なにしてるんですか。
新品っぽいので、選挙のたびに作るのだろう。大変だ。
新品っぽいので、選挙のたびに作るのだろう。大変だ。

緑陣営で聞いてみた

義母がグイグイ入っていった流れで、旗について取材することにした。なんだこれ。

筆者「どうして緑色がイメージカラーなんでしょうか?」

たぶんエライ人「『チームしが』で立候補しています。環境を大事に考えていて、滋賀県知事だった嘉田さんのイメージカラーでもある緑色を使っています」

今記事はあまり政党名とか固有名詞は使わない様にしていたのだが、ややこしいので説明する。

『チームしが』という政策集団があり、その代表が前滋賀県知事の嘉田由紀子さん。嘉田さんのイメージカラーが緑色で、この候補者もチームしがの一員と言うことで嘉田さんと同じ緑色を使った、という事らしい。
チームしがのポスターの右下には嘉田さん。ちゃんと緑色のジャケットを着ている。
チームしがのポスターの右下には嘉田さん。ちゃんと緑色のジャケットを着ている。
エコのイメージで緑色、こういう意味を含んだイメージカラーだと選挙活動もしやすいだろう。

事務所内の備品もやたらに緑色だった。
お茶。これについては、緑色だから置いてるんですか?って聞いたら、特に意識してないって言っていた。
お茶。これについては、緑色だから置いてるんですか?って聞いたら、特に意識してないって言っていた。
その時は緑色だらけだと思って撮ったんだけど、こうしてみるとあんまり関係無かったかもしんない。
あ、ゴミ袋も緑色だ、と思って撮ったけど、これは町の指定ゴミ袋なので青陣営もこれ使ってるだろう。
あ、ゴミ袋も緑色だ、と思って撮ったけど、これは町の指定ゴミ袋なので青陣営もこれ使ってるだろう。
そのうち、スーパーのパイロンまで候補者のものに見えてくる。そうか、こういう効果を狙っているのか。
なんとなく緑候補の顔が思い浮かぶ(ただし名前は出てこない)。
なんとなく緑候補の顔が思い浮かぶ(ただし名前は出てこない)。
そもそもなんでこういうのぼり旗が生まれたのか、ちょっと調べてみたら公職選挙法の制限をすり抜ける手段なのだそうな。

候補者の名前など直接的な掲示物は使える数が限られているけど、単色の旗やリボンは制限に引っかからない。だから大量に投入できるし、あまり効果が無さそうな場所でも気軽に使えるってわけ。
こんな畑のど真ん中にも立っている。
こんな畑のど真ん中にも立っている。
あとは、単にのぼり旗が好きなのかも知れない。戦国時代っぽい勇壮さがある。家紋が入ってたらもっと格好良い気がするが、多分家紋を入れちゃうのは法律的にアウトなんだろう。

なんてことを考えつつ、青と緑以外の旗を探していたら黄色ののぼり旗があった。
あ、黄色!と思ったら。
あ、黄色!と思ったら。
防犯パトロールの旗だった。
防犯パトロールの旗だった。
今度こそ、と思ったけど、
ファミレスの旗でした。
ファミレスの旗でした。
今度こそ黄色陣営の旗か?と思ったら、
大売り出し。
大売り出し。
今回は青と緑しか見つからなかったが、5年前に撮った黄色陣営の写真があった。
個人宅に掲げられた黄色の旗。ポスターよりいいかもしんない。政策とか判らないけど。
個人宅に掲げられた黄色の旗。ポスターよりいいかもしんない。政策とか判らないけど。
ここには4本の黄色旗が立ってた。支持者の土地なんだろう。
ここには4本の黄色旗が立ってた。支持者の土地なんだろう。
それから、これも5年前の写真だけど、単色ではないレアなのぼり旗。青と白の市松模様だ。
これも選挙用です。
これも選挙用です。
だれのイメージのぼり旗かというと、前述の嘉田さん。ポスターにも同様の模様が書かれていた。
ポスターと旗をリンクさせると記憶に残りやすいですね。
ポスターと旗をリンクさせると記憶に残りやすいですね。
ポスターの嘉田さんは緑色のジャケットを着てるので、本当は緑色を使いたかったんだけど誰か他の人が先に緑色を使っちゃってたのかも知れない。

東京はどうなっているのか?

奇しくも東京はちょうど区議会選挙の真っ最中。もしかしたら気付かないだけで選挙用ののぼり旗が立っているかも?と思って探しに出てみた。
お弁当ののぼり旗。写真がキレイに印刷されてて美味しそう。
お弁当ののぼり旗。写真がキレイに印刷されてて美味しそう。
餃子とラーメンとビールが僕を誘う。
餃子とラーメンとビールが僕を誘う。
思ってたとおりだけど、選挙用ののぼり旗は1本も無かった。やっぱ見ないよねぇ、ああいうの。
色々暗い気持ちになるのぼり旗。
色々暗い気持ちになるのぼり旗。
こないだ見てきた滋賀の県議会選挙は、5つの議席を8人で争う選挙だったのだが、今やってる江戸川区長と区議会議員選挙は候補者が60人以上いるのだ。

そりゃ、色分けなんか出来ないわな。せいぜい政党別くらいの感じか。
誰に投票して良いのかサッパリわからない。
誰に投票して良いのかサッパリわからない。
候補者も大変だけど、選ぶこっちも大変ですよ、ホント。

選挙ねぇ

単色のぼり旗の面白さは陣地取り的な面白さにある。票を集めるはずなのに、なぜか交差点で陣地取りとか、青と緑に分かれているとか、イングレス(というゲーム)っぽい面白さ。

ところで件の選挙は青候補も緑候補も当選したそうだ。おめでとうございます。
5年前の写真に妖怪(妻)が写り込んでたので晒す。
5年前の写真に妖怪(妻)が写り込んでたので晒す。
選挙って言うと、とにかく投票に行け、投票に行かないものは国民失格だ、なんて風潮ありますけど、実際、誰に入れたらわからないのに適当に投じた票に意味なんかあるのかなぁ、真面目に考えて入れた人の票が薄まるしなぁ、なんて事も考えるし、真面目に政策を検討する時間も労力もない。

どうしたもんですかねぇ。イングレスで緑陣営だからイメージカラーが緑の候補に入れちゃえ、って感じでもいいでしょうか?(ダメだろうなぁ)
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