特集 2014年7月23日

夏は池袋で毒づくし! 毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)

変化球毒フグ登場

「毒あります」はここではセールスポイント。
「毒あります」はここではセールスポイント。
パフトキシンというかわいい名前の毒を持つ、かわいいやつらとは何か。
このひと達です。
このひと達です。
ミナミハコフグやコンゴウフグ等のハコフグの仲間である。

フグといえば食べると中毒する必殺の猛毒「テトロドトキシン」が有名だが…。

「そういうのはトラフグやクサフグなど体のやわらかいタイプのものです。

ハコフグのグループは内蔵に毒を持つ個体もいますが基本的には敵に襲われたりすると皮膚の粘膜から毒を出します」
コンゴウフグ。水面に姿が映っているのがまたアホっぽい。
コンゴウフグ。水面に姿が映っているのがまたアホっぽい。
「よくある哀しいトラブルは、私たちが水槽掃除中なんかにバケツに魚たちを移しておくとその時に毒を出されて魚達が全滅しちゃうとか」

--へー、他の魚と飼う時は相当気をつかわないとですね。

「そうですね。しかも自らも死んでしまうので…」

--え?

「その毒で。出した毒で自分も死んじゃうんですよ」

--カメムシみたいなやつですね。(カメムシの出す臭いニオイも彼らにとって有害で、それで自死してしまう事がある)

「敵に襲われないでもエサを追っかけて岩の隙間にはまっちゃってテンパって毒を出して水槽全滅なんてこともありましたね…」

--他の魚達からしたら告訴したくなるくらい迷惑ですね。

そして有毒生物の花形といえば忘れてはならないのがイソギンチャク。

「ムラサキハナギンチャクなんかは刺されると痛いですが水深10mよりも深いところにいるので磯遊びレベルではまず出会わないですね」
ムラサキハナギンチャク。見た目痛そう。
ムラサキハナギンチャク。見た目痛そう。
「こっちのハナブサイソギンチャクはたまに沖縄の浅い海にもいますね。これも刺されるとひどい目にあいます」
珊瑚ブロッコリーみたいですね、と言おうとしたがそれは要するに珊瑚みたいだということではないかと思いとどまった。
珊瑚ブロッコリーみたいですね、と言おうとしたがそれは要するに珊瑚みたいだということではないかと思いとどまった。
「毒としてのレベルは2なんですけど刺された時の痛みとしては3、4ぐらいつけたいところですね」
知らないイソギンチャクにむやみに触れるのはやめましょう。
知らないイソギンチャクにむやみに触れるのはやめましょう。

「キラーシェル」と呼ばれる貝

中へ進むにしたがって毒レベルも上がってくる。

--すごいスコアきましたね。イモガイチーム。
タガヤサンミナシ。みょわんと伸びている吻部から毒銛を発射して貝類を捕食する。
タガヤサンミナシ。みょわんと伸びている吻部から毒銛を発射して貝類を捕食する。
きました満票!仕事人のようなコピー。
きました満票!仕事人のようなコピー。
「ここにいるのはタガヤサンミナシとアンボイナの2種、どちらも人間の死亡例が確認されています。銛のような毒針を相手に撃ち込んで麻痺させる方法は一緒なんですが、ターゲットが違っていて、タガヤサンミナシは貝類を、アンボイナは小魚を捕食します」

入口でオブジェクトになっている毒スターのヒョウモンダコ。フグと同じ猛毒を持つが、タコならではの墨を吐く機能が退化しているという、ありがたくないトレードオフを実現している。
体は小さいが拡大してみると貫禄すごい。
体は小さいが拡大してみると貫禄すごい。
「最近、生息域が広がったりしてヒョウモンダコが警戒されていますね。ただ、意外と知られていないのですが、マダコにも毒性を含む唾液があり、2回以上咬まれるとアナフィラキシー(アレルギー反応)を起こす危険があるので注意が必要です」

寿司の人気ネタにも毒が

個人的にかなりグッと来たのはマアナゴ。

ウナギと同じく血液と粘膜にタンパク毒を持つ。基本的に生食はNGである。
きらびやかなモンスター達にくらべてこのシブさ。
きらびやかなモンスター達にくらべてこのシブさ。
「アナゴは言われてみればって感じかもしれないですね」

--なんかこう、スター級の中に混じってアナゴが地味にいるといいなあって思います。

陸の生き物こわい

このもうどく展、ポスターのスローロリスからもわかるように、水族館という枠組みをこえ、陸の生物も紹介されている。
ベトナムオオムカデ(いちおうモザイクしておきます。マウスオーバーでくっきり)
ベトナムオオムカデ(いちおうモザイクしておきます。マウスオーバーでくっきり)
ダイオウサソリ(マウスオーバーでこわい)
ダイオウサソリ(マウスオーバーでこわい)
無双の知識で海の毒生き物の生態をレクチャーしてくれていた二見さんの表情がわずかに曇った。

「私ね、魚の動きとかは大体わかるんですけど、陸の生き物は動きが読めないですね…ほんとこわいですね…」

--二見さん今なんか面白い弱音をつぶやかれましたね。
ここの生き物を見る目が一番おそろしげだった。
ここの生き物を見る目が一番おそろしげだった。
「いやね、なにが怖いって、こいつらは水から出ても生きてられるじゃないですか。水から出たら終わりじゃないですか魚は」

なんかすごい名言じゃないだろうか。魚の生態を熟知した者でなくては出てこない台詞だと思う。

今回の取材をセッテイングしていただいた広報担当の方がぼそりとつぶやいた。

「ムカデ…はやいですよね」
「うん、はやい」


うなずく二見さん。ムカデはこのうっすらとしたアウェイ感を察知しているかのようにケージの隅にじっとしていた。
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