特集 2014年6月24日

読書しない感想文

実践編・ランチの感想文

前ページでは感想文を短文で書いてみたが、宿題に出される感想文はもっと長い。最後に、僕ももうすこし長く書いてみよう。それにはストーリー性のある対象が必要だろう。

たとえば、同僚とのランチはどうだ。編集部の藤原さんと、弊社営業の河合さんをランチに誘ってみた。無機物よりは感情移入できるはずだ。
「ランチ」に行って

石川大樹
最も印象に残ったシーン
最も印象に残ったシーン
「ほら、暖かくなりましたよ」
窓を開けた河合さんがそう言ったとき、僕は、人類が築いた文明の発展について、思いをはせました。
↑小説の一部を抜き出す。→抜き出した部分について自分の考えを書く。
入店
入店
最初に店内に入ったとき、僕は「けっこう涼しいな」と思いました。うどん屋だから、夏でも暖かいうどんが楽しめるように涼しくしてあるのだろう、そう思いました。
↑この本との出会いを簡単に語る

でも、みんなで冷たいうどんをたべていると、すこし寒かったです。
↑単純な感想(面白かった、悲しかった、びっくりした、感心した、などの基本的な感想)
冷たいうどんを食べる一堂
冷たいうどんを食べる一堂
入店したときは涼しいと思っていたのが、長居すると寒いのです。
↑始めに自分の思っていたこと,考えていたことと比べて書く。

僕だけでなく、みんな寒くて、凍え死にそうでした。
↑不幸体験をオーバーに書こう
強すぎる空調
強すぎる空調
そのとき、河合さんがスクっと立ち上がり、窓に手をかけました。「寒いから窓開けましょう」
↑3.印象に残った場面・部分の紹介
窓を開ける河合さん
窓を開ける河合さん
窓を開ける!そんなこと考えてもみませんでした。僕は、そういう選択肢があることにすら気づいていなかったのです。
↑どこに感心したか?どこがすごい!と思えたか

人類は、環境に適応するのではなく、環境を自分たちに合わせて変えることで、短期間でここまでの文明を築いてきたといわれています。河合さんの行動は、まさに環境を変える行動でした。
↑書き出しの部分に戻る

僕もただ我慢するのではなく、環境を変えることで何かよい方向に変わらないか、考える習慣をつけたいと感じました。
↑自分の変化(この本が自分に与えた影響)
帰り道
帰り道
ところで、帰り道に服装の話になりました。河合さんと僕は長袖をはおっていて、藤原さんは半そででした。、
↑スパイス(逆説の接続詞っぽい感想。違う視点で。)


そういえば、店内でも、藤原さんは一番エアコンの風の当たる席にいました。寒くなかったのでしょうか?
↑さらに考えてみたこと

長袖の河合さんと半袖の藤原さん
長袖の河合さんと半袖の藤原さん
いや、寒かったに違いありません。僕は反省しました。
↑本を読んで反省したと書こう

藤原さんは、誰よりも寒かったにもかかわらず、不平を口に出さず、ずっと黙って我慢していたのです。僕はその忍耐力に感動しました。
↑どこに感心したか?どこがすごい!と思えたか
藤原さんは顔ではわらっているがこのときずっと我慢していた
藤原さんは顔ではわらっているがこのときずっと我慢していた
辛いときに環境を変えることの大切さを河合さんから学び、そしてじっと耐えることの大切さを藤原さんから学びました。
↑この本を読んで学んだこと。

対照的な二つの行動ですが、どちらも重要なことだと思います。それに気づくことができてよかった。
↑~~~だから、この本を読んで良かった。

そのことを忘れず、困難にぶち当たったときはこのエピソードを思い出して、二つの可能性から適したほうを選んで実践するようにしたいです。
↑今後,どのように生きていたいか,生きていくべきなのか。
うどん屋でのランチからたくさんのことを学んだ
うどん屋でのランチからたくさんのことを学んだ

読書感想文はパズル

どうだろうか。

これでだいたい850字。原稿用紙2枚ちょっとである。もうちょっと描写を細かくすれば2倍になって、規程枚数クリアだ。

なんかこう、なんでもない出来事からむりやり教訓を拾っていくのは、不毛なようでもあるがやってみると面白くもある。よくいう「いいとこみつけ」である。

それが楽しくなって、ランチ相手を二人とも持ち上げたせいで、最後どっちつかずの妙な結論になってしまった。

よく読書感想文の話になると「あれ意味あるのか」みたいな議論になる。というかセミとり我慢して家にこもって書いてる最中はすごく思う。そんなときは意味の有無はいったん置いといて、こうやって穴埋め感覚でサクサクやってしまうとけっこう楽しい。パズルだと思って済ませてしまうのもひとつの手じゃないでしょうか。

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