特集 2013年11月27日

ネギ切り三都物語

それでは京都では

大阪ではどこでもネギを切ってくれた。では、大阪以外ではどうなのか。ネギ切りは大阪のおばちゃんによって育まれたシステムなのではないか。
九条ネギだ!
九条ネギだ!
京都のネギ事情はどうなのかと思って、京都の桂駅にやってきた。ここでもネギは切ってくれるのか。そう思いながらネギ売り場を見ると売られていたのが九条ネギ!(かんたんに言うとでっかい青ネギです)

流石は京都というべき品揃え。品揃えの様にネギ切り環境も変わるのか。
どこいくのっ!
どこいくのっ!
九条ネギを持ち、レジで「あっ、このネギ、半分くらいに切ってくれませんか?」というと「えっ、ネギを、切るんですか?!」

おっと、このリアクション初めてのパターンだ。「無理ならいいんですが…」と言うと「はい…」と言ってどこかへ行ってしまった。

おっ、切ってくれた。
おっ、切ってくれた。
えっ、どうしたら!?お会計は!?と思っていたら、少し離れた所で包丁を出して切ってくれていた。

ほう、切る道具はあるのか。ではあの戸惑いは「ネギを!?切るの!?」という思いのものだろう。京都ではスーパーのレジでネギを切らないのか。

ネギ界の天パ、九条ネギのクルンクルン感がかわいい。
ネギ界の天パ、九条ネギのクルンクルン感がかわいい。
切ってもらった九条ネギはサッポロ一番ネギラーメンとなった。生でも甘く、柔らかい九条ネギはラーメンのトッピングに最適なのだ。

熱したごま油を上から、チュンッ!!
熱したごま油を上から、チュンッ!!
そこへ熱したごま油をかけると広がる九条ネギの香りがたまらない。シャキシャキの食感と豊かな風味が加わったサッポロ一番はいつもと一段違った旨さ。これは毎回トッピングしたい。

ついに出た、ネギ切らない店

一店目から大阪と京都は少し様子が違う。もう少し見てみようと、違うスーパーにやってきた。さて、今回はスムーズに切ってもらえるか。

九条ネギ美味い。
九条ネギ美味い。
お会計を済まし、さてここからである「すみません、ネギ切ってもらう事って出来ますか」と言うと若い男の店員さんが「えっ、ネギですか!?ちょっとそれは無理ですね」との答え。

無理!?ズバッと切られた。ネギじゃなく自分が。

「えっと、かばんに入れて持って帰りたいので…」少し粘ってみると「切るのは無理っすけど、折れますよ」と言って葉の部分をくにゃんと曲げて袋に包んでくれた。
切ってもらった時と同じくらいの長さ。
切ってもらった時と同じくらいの長さ。
正論。全く合理的、葉の柔らかい九条ネギなら折っちゃえば切る必要なんてない。京都だからって嬉しくなって九条ネギを選んだのが仇となったか。

しかし、ネギを切ることへの答えが無理なのだ。ネギを切ってほしい客がいないのか。
これでもかという量のネギを投入
これでもかという量のネギを投入
カリッとネギ焼きに。
カリッとネギ焼きに。
この九条ネギはネギ焼き。甘くて柔らかいので、生地にトロけて表面カリッと中ふわとろ。鼻を抜けるネギの香りがスゥッとする。

ネギonネギ
ネギonネギ
そこに加わる細切りのシャクシャクとした食感のアクセントでいくらでも食べられる。調理法で姿形に味や食感まで変わるネギの七変化が楽しい楽しい。

ネギ切り不毛の地京都

この白ネギは切らねばカバンに入るまい。
この白ネギは切らねばカバンに入るまい。
九条ネギを買ってしまったがために、京都のネギ切り力を試しきれなかった。今度は白ネギと九条ネギ両方を買って試す。
またどこかへ行ってしまう店員さん
またどこかへ行ってしまう店員さん
白ネギと九条ネギを買って「ネギって切ってもらえますか?」とお願いしてみる。「えっ、ね、ネギですかぁ!?いいですよ」と、戸惑いながらネギを持ってどこかへ行ってしまう店員さん。

ネギを切ってと言われた時のリアクションが京都大阪で明らかに違う。

九条ネギは折り曲げて、白ネギは切ってくれた。
九条ネギは折り曲げて、白ネギは切ってくれた。
鮮肉売り場に入っていってネギを切って持ってきてくれた。ネギを切る道具自体がレジに無い。そういう事態が想定されていないのだ。これは優しさ。店員さんの優しさによるネギ切りだ。サービスとして提供しているネギ切りではない。

京都では九条ネギが主流でみんな折って持って帰るから切る必要が無かったのかもしれない。ネギを切って欲しい人、京都では注意を要するぞ。

ネギ切り勢力圏は長岡天神まで

大阪ではネギを切ってくれる、京都ではあまり一般的ではない。その境目はどこなのか。桂駅から阪急電車で一駅分大阪方面に移動して長岡天神駅にやってきた。
九条ネギと白ネギが拮抗してる
九条ネギと白ネギが拮抗してる
阪急電車の主要駅では最も大阪に近い京都府の駅だ。この辺りの事情はどうなっているか。品揃えはバッチリと京都感がある。

サービスとしてのネギ切り
サービスとしてのネギ切り
さてネギ事情はどうなっているかと、レジで「ネギ切ってくれませんか?」とお願いしたら「あちらのサービスコーナーで承っております」との事だった。

サービスコーナー。ここはそういう場所だったのか。
丁寧なサービス
丁寧なサービス
これはどっちだ。「ネギ切って」に対してレジの人に戸惑いは全くなかったが、それはネギ切り定着しているからなのか、大資本のスーパー教育のなせる業か。

分かりかねるため長岡天神でもう一件。
もう、切ってる所だけでいいか。
もう、切ってる所だけでいいか。
次のスーパーではネギ切ってくれますか?と聞くと「はい、切れますよ!」と言って瞬時にスパンッと切ってくれた。ある、長岡天神ではネギを切る文化が確実にある。

ネギ切り境界線は京都と大阪の県境を少し超えた長岡天神と桂の間の辺りにある。

ネギソースめっちゃくっちゃ美味い。あと、ただ水に晒しただけのネギサラダもシャッキシャキ。
ネギソースめっちゃくっちゃ美味い。あと、ただ水に晒しただけのネギサラダもシャッキシャキ。
そして切ってもらったネギはネギ塩ソースとなって美味しく頂いた。ネギと塩コショウ、ゴマ油に鳥ガラスープの素を混ぜてレンジでチンすると最高のソースが出来上がる。

この「薬味」としての完璧な振る舞いに舌を巻く。ネギの多才さよ。

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