特集 2013年10月8日

鉄板に鉄板ギャグを書く

鉄板に鉄板(に関する)ギャグ

鉄板に鉄板に関するギャグを書き込めば、それはもう揺るぎなく本物の、どこに出しても馬鹿受け間違い無しの鉄板ギャグなんじゃないだろうか。
「砂に書いたラブレター」とかそういうワードの真逆にある、筋の通った頑強さの象徴と言えよう。鉄板に書いた鉄板ギャグ。

で、先だって『コンピューターにダジャレを教える』という記事を書かれたデイリー編集部石川さんに「あのプログラムで鉄板に関するダジャレを生成してください」とお願いして、「鉄板銅板アルミ板」「冷間圧延鋼板」などいくつか鉄板に関するワードを託してみた。
なぜプログラムにお願いしたかというと、事前に「馬鹿受け間違いなしの鉄板ギャグ」とかハードルを上げておきながら自分の考えたギャグで受けないと恥ずかしいから。こういう、人間には難しい極所での作業こそ機械に任せるべきだろう。
石川さんから送り返してもらった鉄板ギャグ(プログラム生成)
石川さんから送り返してもらった鉄板ギャグ(プログラム生成)
お願いして数時間のうちに送られてきた、ざっと100種類の鉄板ギャグ群。さすが機械の力はすさまじいと実感した。
あと、石川さんすいません。ここでお詫びをするのもなんなんですが、送っていただいた鉄板ギャグ、使いませんでした。
プログラムと元ワードの相性というのもあるのだろう、なんというか、えー、ちょっと使いどころが難しかった。
ダジャレプログラムと鉄板はあまり上手くいかなかったみたいだ。

とは言え、自分で鉄板ギャグを作るのはやはりイヤである。
そこでプランB。鉄工所で働いている友人に「鉄に関する業界定番のギャグ」を電話で聞いてみた。
そんなものがあるのかどうか危険な掛けではあったが、どうやら鉄業界の定番ギャグは存在するらしい。「俺が考えたんじゃないから」と言い渋る友人を説き伏せて聞き出した定番の鉄ギャグ、ご覧いただこう。
鉄板ギャグだから、受けるはず。信じて書く。
鉄板ギャグだから、受けるはず。信じて書く。
「おは溶接。」
「おは溶接。」
鉄工業界における定番挨拶、ということなんだろうか。
おは溶接。何度も口中で噛んで味わいたくなる語感だ。鉄の冷たい硬さを柔らかく丸め込んだような優しい挨拶ではないか。
笑顔が若干ヤケ気味にも感じる。おは溶接。
笑顔が若干ヤケ気味にも感じる。おは溶接。
これなら誰が聞いても間違いなく笑顔になれる、まさに鉄板オブ鉄板ギャグだろう。
恥ずかしがらずに皆さんも使っていただいて良いと思う。だってハズレない鉄板ギャグだもの。鉄板に書いてあるんだから間違いない。

日本初か、鉄板漫画家

ところで筆記具の用途といえば字を書くだけではない。電気ペンシル、絵だって描けるはずだ。
あらためて栗原先生、お願いします。
栗原先生、執筆中。
栗原先生、執筆中。
電気ペンシルにもすっかり慣れてきて、鉄板に向かう姿にも違和感がない。「原稿用紙、なんかいつもより硬いなー」ぐらいのものではないだろうか。
ざっと検索をかけてみたが、少なくとも日本国内で鉄板に漫画を描いた例は無さそう(鉄板焼きをテーマにした料理漫画はあったが)なので、栗原先生は日本初の鉄板漫画家を名乗っていただいても大丈夫そうだ。
枠線も引ける。
枠線も引ける。
フキダシにはあの鉄板ギャグも。
フキダシにはあの鉄板ギャグも。
集中されています。
集中されています。
「…うーん、電気ペンシルで連載とかは無理ねぇ」
「え、やっぱり描きづらいですか」
「っていうかペン先をゆっくりとしか動かせないから、時間が足りない」

能書 筆を選ばず、とは言うが、さすがに鉄板に焼き込む速度まではどうにもならないか。
これが上手く行くようなら、栗原先生を鉄板漫画家として売り込むべく出版社に営業をかけるつもりだったのだが、機械の方の技術的ブレイクスルーが無い限り難しそうだ。
でも、ちゃんとベタも塗れる。
でも、ちゃんとベタも塗れる。
火花飛び散るカケアミ作業。
火花飛び散るカケアミ作業。
そして執筆時間10分強。
できあがった「鉄板の一コマ」が、こちらだ。
おは溶接。
おは溶接。
なんか普通にちゃんと描け過ぎていて、わざわざ鉄板にスパークで描いたとかそういう苦労要素が感じられないのがすごい。というかわずかな時間で背景にカケアミ(手で描くスクリーントーンのようなもの。普通にペンでやっても面倒くさい作業)までいれてもらえるとは。漫画家のクオリティ、おそるべしだ。
栗原先生ありがとうございます。
栗原先生ありがとうございます。

今回、鉄板ギャグと鉄板1コマには0.5mmの薄い鉄板を使用したのだが、作業後に見たら、筆記跡がぐにゃっと反り曲がっていた。おそらく、スパークによる発熱でひずんでしまったのだろう。
電気ペンシル、やっぱり漫画を描く用にはむいていないのかもしれない。

熱でこれだけ反ってしまった。
熱でこれだけ反ってしまった。

ところで、今回ご協力いただいた栗原まもる先生が先日まで講談社Kiss誌で連載されていた『つぶつぶ生活』が、現在、続刊を描き上げるべくクラウドファンディングにて支援募集中です。ご興味がある方は、こちらから。
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