特集 2013年7月9日

数学の図形問題を日常生活にいかす

応用例3・不良の開脚度を調べる

このページで挑戦は最後となる。たとえば、街を歩いていてこんな場面に出くわしたとしよう。
あっ、不良だ!
あっ、不良だ!
不良がいる。しかもこっちをにらんでいる。怖い!
しかし堂に入ったヤンキー座りだな。足がすごくよく開いているぞ。あれ、何度くらいあるんだろう。
気になってきた……。
分度器を当てて測ってみよう
分度器を当てて測ってみよう
「何やってんだコラ」
「何やってんだコラ」
「オレは開脚角度を分度器で測られるのが一番ムカつくんだよ!」
「オレは開脚角度を分度器で測られるのが一番ムカつくんだよ!」
こうなることは予想に難くない。
では、いったいどうしたら、不良の開脚角度を知ることができるだろうか。
これを使います
これを使います
不良の両膝の先端を通る補助線を引く
不良の両膝の先端を通る補助線を引く
こうすることにより、ここに二等辺三角形ができる(両足の長さはほぼ同じとする)
こうすることにより、ここに二等辺三角形ができる(両足の長さはほぼ同じとする)
ちなみに補助線と足のつくる角は120度
ちなみに補助線と足のつくる角は120度
図形の問題にするとこうなる
図形の問題にするとこうなる
これは簡単だろう。
(解法)

角ACBは 180度 - 120度 = 60度
二等辺三角形なので角BACも60度
三角形の内角の合計は180度なので、角ABCをxとすると
x = 180度 - (60度 + 60度)
x = 60度

つまり、不良の開脚角度は60度である。偶然にも正三角形であることが判明した。一見、柄の悪く見える姿勢だが、幾何学的にはかなりの「いい姿勢」だったのである。

そんな事実が明らかになった今でも、不良はまさか自分の開脚角度が測られたなんて夢にも思っていないはずだ。だって実際に測ったのは、あくまで補助線と足の角度なのだから。

また、不良に接近するのが恐ろしい場合、こういった応用もできる。
先ほどの補助線を延長し、少し離れたところに不良の片足と平行な補助線をもう一本引く。
先ほどの補助線を延長し、少し離れたところに不良の片足と平行な補助線をもう一本引く。
足と補助線は平行なため、角aと角bは同位角となる。同位角は等しいため、補助線同士の角度を測るだけでよい。
足と補助線は平行なため、ここは同位角となる。同位角は等しいため、角bの角度を測れば、先ほど同様、開脚度を計算できる。
中学数学の知識さえあれば、不良に触れずにその開脚角度を知ることすら可能。
日本の義務教育のレベルの高さを思い知った瞬間であった。

もうちょっとある気もする

「日常生活に応用する」と言いつつ、日常生活でそんなことあるか!という例ばかりになってしまった。
当初はけっこう真面目な企画だったのだが、高校入試の過去問を入手し、問題を現実で再現しようとがんばった結果、こうなってしまったのだ。

その後ひとにきいたりネットで調べたりしたところ、図形の知識の活用としてこんな例があるそうだ。

・影の長さから建物の高さを知る
・変な形の農地を平等に分ける
・丸太から角材を切り出す時の寸法を計算する

などなど。どれも日常生活と言い切るにはちょっとレアなシーンである。

しかし予期せぬことが起こるのが人生。日常といってもよく見ればレアなシーンの連続だ。
今後、図形問題を生かせるタイプのレアなシーンはやってくるのか。その到来を楽しみにしつつ、これからも日常を過ごしていきたい。
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