特集 2012年4月23日

全自動のりたま分離器で「たま」だけ食べ放題

まだ終わらんよ

大学生のころ僕は大阪に住んでいたんだけど、住んでいたマンション(という名前だったが実質はアパートだろう)は洗濯機が共同で、ボロボロの二槽式が屋上においてあった。

平成生まれの人のために説明しておくと、二槽式洗濯機というのは全自動になる前の洗濯機だ。「洗う槽」「脱水する槽」の2つがついていて、洗い→脱水→すすぎ→脱水、の行程ごとに洗濯物を移し替えなければいけなかったのだ。
当時住んでたとこ。建物内に樹を2本飲み込んでいる、ビジュアル的にもすごい建物だった
当時住んでたとこ。建物内に樹を2本飲み込んでいる、ビジュアル的にもすごい建物だった
そういうわけで、僕は洗濯のたびに部屋と屋上を、何度も何度もいったり来たり…。いまだに家事の中で洗濯がダントツに嫌いなのは、あの頃のトラウマが残っているからだと思う。

何がいいたいんだっけ。そうそう、やっぱり機械なのに人の手がいるのは悪だと思うのだ。それが洗濯だろうと、のりたま分けだろうと。
前ページではすっかりつかれて寝てしまったが、一晩明けて気分がリフレッシュしてみると、その人手の部分が急に許せなくなってきた。

本物の全自動を見せてやる…!
決意を胸に作業部屋に行ってみると、散らかり放題でびっくりした
決意を胸に作業部屋に行ってみると、散らかり放題でびっくりした

全自動への道

せめて掃除してから寝ればよかった、という後悔はさておき、ふたたび工具との格闘が始まる。
前ページで作ったザルをいったん解体
前ページで作ったザルをいったん解体
家に余ってたギアボックスをつける
家に余ってたギアボックスをつける
機体に固定
機体に固定
わーメリーゴーランドみたい!
わーメリーゴーランドみたい!
さらに、バイブレーターをギアボックス側に装着
さらに、バイブレーターをギアボックス側に装着
一気にお見せしたが、これが全自動への道である。
ちなみにバイブレーターをギアボックス側に付けたのは、ザルにつけると回転でねじ切れるからである。ギアボックスごと揺らすことにした。

全自動のりたま分離器、こんどこそ完成
全自動のりたま分離器、こんどこそ完成
さあ、本物の全自動、今度こそ完成だ。その動作を、とくとごらんください。
分離されたのりたまたち
分離されたのりたまたち
のり
のり
たま
たま
「その他」
「その他」
わかってる。分別が完全じゃないのはわかってる。
でも違うだろう、大切なのはそんなことじゃない。僕らはのりたまを綺麗に分けたいわけじゃない。だってそのまま食べた方がうまいじゃん。
それよりも、機械がのりたまを分けたことに意義があるのだ。人の手を使わずに、スイッチひとつで。全自動で。機械が!

その興奮は、ここまで読み進めてくれたあなたならわかってくれることと思う。
最後に、アポロ11号に搭乗したアームストロング船長のこの言葉を引用し、この原稿を締めることにしよう。

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ。」

雰囲気だけで言った

アームストロング船長の言葉とこの記事の内容は全く関係がないのだが、引用しておけばなんとなくかっこよく締まるかな、と思って載せてみた。なんのつながりもないので考え込まないで欲しい。

あと筐体をダンボールにしたのは試作品だからであって後でスチールで組み直そうと思っていたのだけど、のりたまは思ったよりも手強く、とてもそんな手間をかけている場合ではなかった。こういった点も含めて、やはり一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だったのだ。(ここも雰囲気だけです)
後日ちゃんと掃除してから撮り直しました。改めて全貌
後日ちゃんと掃除してから撮り直しました。改めて全貌
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