特集 2012年3月14日

画竜点睛を欠いたり足したりしてみる

目を入れることでダメになる例

大概の物は目が描き入れてあった方が良いことに異論は無い。 ただ目を描き入れることで逆にあまり良くないことになることもある。
例えばこういうの。
例えばこういうの。
これは北海道のとある場所(覚えてない)にあった、おそらく恐竜のモニュメント。 たぶんこのあたりで発掘された恐竜の復元図などの類であろう。

とりあえずこれが何かは置いといて、顔の方に注目すると黒目が描いてある。
恐竜を見たことはないが、目を入れたことで本物から遠ざかってる気がする。
恐竜を見たことはないが、目を入れたことで本物から遠ざかってる気がする。
確かに黒目があることで、恐竜の”恐”の部分は出ているが、”竜”からはだいぶ違う方向に飛んでいってはいないか。

どちらかというと白目のまま、もしくは全部黒で塗りつぶした方が良い結果が出た気がする。
対照的にこちらは画竜点睛が欠いている例。
対照的にこちらは画竜点睛が欠いている例。
これは白目だけで黒目が入ってない。ただこのでかい葉っぱの下で雨宿りしてる「俺たちなにやってんだろう」な雰囲気は、白目である分、魂抜けきった感じがよく出ている。

これに試しに画像処理で黒目を描き入れてみるとこんなだ。
「社長に『仕事は心をポジティブに偽る修行』と言われました…。」
「社長に『仕事は心をポジティブに偽る修行』と言われました…。」
目が入ることで人間らしさが増してストーリーが見えてくるが、この場合はそれが裏目に なっている気がする。

この表情、とてもぐったりしていて、まるでバイト先の社長に心をポジティブに偽るよう言われた自分のようだ。童話の世界にそんな現実いらない。

このように、画竜点睛を欠くことが100%悪いというわけではないと感じるのだ。

黒目を消すと雰囲気は変わるか

画竜点睛を欠くという言葉の意味をもう一度思い出してみよう。それは「肝心の一点がないために全体がダメになる」だ。

では完成しているのにダメなものにたいしてはどうだろう。
地獄の三兄弟。
地獄の三兄弟。
これは私の小・中・高時代の卒業写真。その頃をことを書こうとするとこの記事が悪魔教本になってしまいかねないので特に書いたりはしないが、とにかく写真からダメダメな感じが漂ってくるのは分かると思う。

これら画竜点睛を欠いてないのにダメな写真。目を描き入れるかどうかで全体の印象が変わってしまうのなら、逆に画竜点睛を欠くことで良くなったりはしないだろうか。

画竜点睛をA、欠いてない状態をB、卒業写真を負の値 -Cとした場合、以下の方程式が成り立つはずだ。

画竜点睛を欠くことで良くなる方程式

・画竜点睛(A)を欠く(-B)
A×(-B)=-AB(マイナスだからダメ)

・画竜点睛(A)を欠いてない(B)
A×B=AB(プラスだから良い)

・画竜点睛(A)を欠いてない(B)卒業写真(-C)
A×B×(-C)=-ABC(マイナスだからダメ)

・画竜点睛(A)を欠く(-B)卒業写真(-C)
A×(-B)×(-C)=ABC(プラスだから良い)

このように数学の定理に従えば、卒業写真は画竜点睛を欠いた方が良くなるはず。
良くならんわ。
良くならんわ。
怪光線を放ちそう。
怪光線を放ちそう。
怪光線を放つ能力は高校卒業時もありました。
怪光線を放つ能力は高校卒業時もありました。
もともとダメなものはもっとダメになる、ということか。 単純に計算だけでは計ることの出来ない画竜点睛の深さ(むしろ知恵の浅さ)がある。
ここからまた画竜点睛してみたら雰囲気は変わったがダメであることに変わりはない。
ここからまた画竜点睛してみたら雰囲気は変わったがダメであることに変わりはない。
ダメの監獄から抜けられない。
ダメの監獄から抜けられない。
とはいえこれはあくまでテスト。 世界にはまだ試すべきサンプルがたくさんある。 次は外に出て黒目の有る無しの違いを検証してみたい。

白目アイテム

外でいろいろと白目にしてみるには、まずそういうアイテムが必要。 今回は以下のものを用意した。
白のマグネットにペーパーセメントという糊を塗る。
白のマグネットにペーパーセメントという糊を塗る。
乾くと付箋みたいに付けたり剥がせたり出来る糊です。
乾くと付箋みたいに付けたり剥がせたり出来る糊です。
裏表で白目黒目を可能にする優れもの。
裏表で白目黒目を可能にする優れもの。
これを顔が写ってるポスターなどに付けることで、画竜点睛を欠く状態にすることが出来る。

ただこれだけだとサイズの違いに対応することが出来ないため、別の道具も用意した。
練り消し。
練り消し。
必要なサイズにちぎって目に貼り付けて使える。
力強いゴリラの目差しが、
力強いゴリラの目差しが、
虚ろに。
虚ろに。
ゴリラは画竜点睛を欠いてないほうが良い。なぜならゴリラは現代の龍のような存在だからだ。

白目と黒目による違い

ここからは街で見かけたイラストなどを画竜点睛を欠いた状態にしてみて その言葉の意味をより深く検証してみたいと思う。

まずはこちら。
オールドスクール飛び出し。
オールドスクール飛び出し。
車も人、どちらも白目とも黒目ともつかない目をしている。 とりあえずマンガ的表現の目が入ってるということにしよう。

これを画竜点睛を欠くとどうなるか。
車。もう意識が飛んで事故の回避をあきらめている。
車。もう意識が飛んで事故の回避をあきらめている。
人。同じくもうあきらめている。
人。同じくもうあきらめている。
では画竜点睛を入れるとどうか。
子供関係無く、隣のなにかにびっくりしてるように見える。
子供関係無く、隣のなにかにびっくりしてるように見える。
こんなのが飛び出てきたらそれは驚くだろう。
こんなのが飛び出てきたらそれは驚くだろう。
確かに画竜点睛という言葉の通り、、白目だと魂が抜けて見え、黒目だと魂が入ってるように感じる。特に飛び出す子供の方にはだいぶマズイ感じの魂が。
目がそもそもないキャラクター。
目がそもそもないキャラクター。
かっこよさは落ちるも、白目で少し人間味が出た雰囲気に。
かっこよさは落ちるも、白目で少し人間味が出た雰囲気に。
黒目だと完全にマヌケキャラ。
黒目だと完全にマヌケキャラ。
やはり目の印象はそれだけで全体の出来を左右する。 このキャラクターの場合は画竜点睛を欠いても欠いてなくてもどっちもダメだと思う。
ちなみに練り消しを使う方法は、すごく申し訳ない気がしたので無しになりました。
ちなみに練り消しを使う方法は、すごく申し訳ない気がしたので無しになりました。

画竜点睛で狂気が宿る

もう轢く気満々のワル車。白目黒目で印象を変えられるか。
もう轢く気満々のワル車。白目黒目で印象を変えられるか。
白目。魂抜けた。でもなんか怖い。
白目。魂抜けた。でもなんか怖い。
黒目。もうなにも迷わず轢く。百人ぐらい轢く。
黒目。もうなにも迷わず轢く。百人ぐらい轢く。
黒目の方は元のイラストより全然怖い。 瞳孔開きまくりだからだろうか。

また魂という点では白目も黒目もどちらも抜けている気がする。 さきほどは魂が宿っていたのに。
デフォルトで目がないイラスト。怖いから画竜点睛して目を入れたい。
デフォルトで目がないイラスト。怖いから画竜点睛して目を入れたい。
別の怖さになった。
別の怖さになった。
見過ぎ。
見過ぎ。
目があるのとないのとでどっちが良いかは非常にむずかしい。どっちもイヤだから。

画竜点睛を欠いても欠いてなくてもなんかダメだというレアな例である。 日本語ってむずかしいですね。
上を向いてたら犯罪者を捜せないと思う。
上を向いてたら犯罪者を捜せないと思う。
これで検挙率アップ間違いなし。
これで検挙率アップ間違いなし。
もう目を付けるのが楽しくなって白目のこと忘れてます。

最終的にはなんだかよく分からなくなって遊んでしまった。 目を描き入れるかどうかより、黒目がでかいことの方が全体の印象を大きく変える力が強い。

とはいえ目を入れると確かに魂が入るから画竜点睛を欠いてはいけないのだろう。 ただあまり目を力強く入れすぎると、変な迫力が出るからほどほどにがんばっていこうと思う。
人に付けるとインパクトがより大きい。
人に付けるとインパクトがより大きい。
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