特集 2011年7月9日

ずっとグリグリしていたら手相は変わるか

本を借りて現状チェック

グリグリの前にまずは図書館で本を借り、自分の今の手相を分析してみることにした。
わかりやすそうなの借りてきました
わかりやすそうなの借りてきました

波乱万丈の人生・・?

この本でまず知らされた自分の手相の特徴は、両手の手相が全く違う形をしているという事だった。こういう人は「性格に偏りがあり波乱に富んだ人生を送る傾向」とあった。「性格に偏り」ってあまり聞かないけど何だか悪そうだし、平穏を好む私には波乱という言葉にも軽いショックを受けた。
波乱に富むという左右違う手相。そしてどっちを見たら良いのか・・
波乱に富むという左右違う手相。そしてどっちを見たら良いのか・・
本来は両手を見比べた方が良いと書いてある。しかし手相が全然違いすぎて混乱しそうなので、本に出てくるサンプルに倣って左手を見る事にした。

素人目なので判断が難しいが「健康的」「良識に富んでいる」「朗らかで創造性に富む」といった良い意味のものが当てはまった。しかしこういう占いの類は悪い結果の方が気になるもので、普段自分が気にしている性格が浮き彫りにされているような相がいくつかあり、また嫌な気分にさせられた。
指が弓のように反る人は、「要領がよく周囲になじみやすいが、飽きやすい」こういうのも手相の一つ。
指が弓のように反る人は、「要領がよく周囲になじみやすいが、飽きやすい」こういうのも手相の一つ。
「目的が変わりやすい相」
「目的が変わりやすい相」
「落ち着かない暮らし」
「落ち着かない暮らし」
「落ち着きのない性格」
「落ち着きのない性格」
落ち着かず飽きっぽいという意味のものが4つも当てはまっている。(あくまで素人目)

その通り、私は計画を立てるまではいいもののすぐに違う事に興味がいってしまい、意志が弱く続かない事が多い。運動も習い事も家事も勉強も仕事も読書も、かさぶたを剥がすのを我慢するのも何もかも、途中で飽きたり忘れてしまい、いつの間にかやらなくなってしまうのだ。(フォローさせていただくと、短期集中系の事は得意)

もしかして・・本当に手相に性格が出ているのだろうか?そんなに信じてなかったのに気になってきた。
なりたい相みっけ
なりたい相みっけ

「粘り強い努力家の相」になりたい

そんななか、本をパラパラめくっていると自分の理想の相を見つけた。

「生命線から中指に向かって鮮やかに上昇している線は努力線と呼ばれ、仕事でもプライベートでも粘り強く、どんな困難にもまけずに前進を続ける努力家。絶えず目標に向かって情熱を燃やしています」とある。

ああ憧れの人物像。私はこんな人になりたい。

という訳でこんな手相になるべく次ページから手をグリグリします。

月曜の夜スタート

グリグリするのは1週間と決めた。1週間もやれば手相が変わりそうかどうかの判断はつくだろう。月曜日の夜からスタートした。
手相が分かり易いようにと試しに赤ペンを引いてみる(気持ち悪い)
手相が分かり易いようにと試しに赤ペンを引いてみる(気持ち悪い)
ここに線を入れたい
ここに線を入れたい
始める前に、手相を分かりやすく見せたいなと赤いボールペンで線をなぞってみたら小学生のイタズラみたいになってしまった。気持ち悪い。こういう事よくやってたよな・・と懐かしみながらも今は特に楽しめないのですぐに手を洗いに行った。
あそうだ、手形も取っておこう!
あそうだ、手形も取っておこう!
失敗。(細かい線が潰れて見えない)
失敗。(細かい線が潰れて見えない)
普通に洗っただけじゃ落ちない。お風呂入ろ・・
普通に洗っただけじゃ落ちない。お風呂入ろ・・
一度手を洗ったあと、手形を取ろうと思いついた。しかし上手くいかなかった上、インクは軽く洗っただけでは落ちなかった。予定外のお風呂タイム。早くグリグリ始めたいのにさっきから夜中に何をやっているのだろうか。

後で描画ソフトで線引けばいいんだから赤ペンと手形必要なかったな・・、と排水溝に流れる赤い水を見ながら思った。

ヘラでグリグリ

お風呂の中で、手相をつけるには何が効果的かを考えた。浮かんだのは裁縫道具のヘラ。これでグリグリしたら真っ直ぐでキレイな線がつきそうじゃない?
へらの登場です(普段は布専用)
へらの登場です(普段は布専用)
赤ペンであたりをつけてグリグリしてみる
赤ペンであたりをつけてグリグリしてみる
アツイタ・・!
アツイタ・・!

この企画やめようかなー・・

熱い、痛い。見た目イタイタしい。


さっきから、物凄く地味にイヤな進行をしている。こういう場合はロクな終わり方をしない、という予感がジンジワと頭を占拠し始める。この企画、止めた方がいいかもしれない。写真は手ばっかりになって面白みにかけるだろうし・・今ならまだ違う企画に変更する時間はある。

自分の手とヘラを見つめてしばし悩んだ。

ここで止めたらそれこそ根性なし

しかしこんなにすぐ諦めてしまっては、「粘り強く努力家になりたい」という自分の思いをまた裏切る事になってしまう。

そうだ、この企画を最後までやり遂げる事にこそ意味があるんじゃないか。例え最後がグダグダになろうと、諦めず頑張るんだ自分!

(それに他の企画すぐ思いつかないし)
これが果たして相になるのかい?
これが果たして相になるのかい?
次の日の朝。当たり前だが摩擦の跡は無くなっている。
次の日の朝。当たり前だが摩擦の跡は無くなっている。

2日目:電車でもトイレでもグリグリ

昨夜はヘラを使ったために痛みを伴っていたが、さすがに公の場でのヘラ使いは怪しいので爪でグリグリする事にした。

爪でやるとそんなに痛みもない。電車やトイレ、会議やランチの合間など、周りに怪しまれない程度にグリグリした。気のせいか、薄く線が入ってきたような気がした。

3日目:「やるなら金運でしょう?!」

水曜日の夜、友人と食事に行った。食事が済み、止まらぬ他愛ない話をしながら私は友人の目の前で思う存分手をグリグリした。
こうやって爪でグリグリして
こうやって爪でグリグリして
手相変わったら面白いよね~
手相変わったら面白いよね~
企画の内容を伝えると、友人は「なんで金運線にしないの?自分なら絶対金運!」と乗り出し私の持っていたヘラで(しかも角を使って)真剣にグリグリし始めた。
金運上がるなら痛みに耐える!と私より本気
金運上がるなら痛みに耐える!と私より本気
すごく嬉しそう
すごく嬉しそう
こうして人がグリグリしているのを見ると、とても間抜けな行為だなと改めて思った。さらに、ヘラでつけた跡を満足げに見せてくる友達に「そんなんで金運あがるかよ!」とツッコミたくなった。

でもそれをしたらこの企画を否定してしまう。まだ先はある。諦めずに全力を尽くそう。

(ちなみになぜ私が金運線をグリらないかと言うと、もう既にあるからです。えへ)
テーピング登場
テーピング登場
作ったシワを寄せてテープで固定
作ったシワを寄せてテープで固定
目に見える努力
目に見える努力
果たして効果あるのかは疑問だが寝ている間はこのようにテーピングをして線をできるだけ定着させる事にした。

4日、5日、6日:気がついた時グリグリ

電車待ちながら
電車待ちながら
時には針金仕込んでみたりして(痛い)
時には針金仕込んでみたりして(痛い)
このように人知れず地味な努力を重ねた。カメラにはその努力を収め続けたが、同じような手の写真ばかりで何も面白くないので割愛。

7日目:占い師に見てもらいに行く

そしてようやく最終日の7日目。ネットの口コミで見つけた浅草の占い館を訪ねる事にした。
予約の1時間前に行ってチラ見。いかにもな佇まいだ。
予約の1時間前に行ってチラ見。いかにもな佇まいだ。

自分じゃ判断つかなくなっちゃったから

なぜ最後に占い師に見てもらいに行ったかと言えば、自分で自分の手相がよく分からなくなってきてしまったからですすみません。
極細でやや途切れ途切れだけど線が入ったような、最初からあって気づかなかっただけような・・
極細でやや途切れ途切れだけど線が入ったような、最初からあって気づかなかっただけような・・
週の後半で友人に手を見せてみた所「線は見えません」とズバリ言われてしまった。しかしよーく見ると私には線が見えるのだ。かなり細い線だけども。

では最初からあったのに気づかなかったのでは?と問われればそれは自信がない。最初に撮った写真を拡大してみると、うすーい線が実は所々にあった事に気づいた。それが一週間で少し繋がったかな、どうかな??と結果が曖昧なんである。

占い師さんに賭けよう

こうなったら占い師さんに見てもらって「あなた努力家の相出てるわよ」的なことを言われたら企画成功ということにしましょうよ。
浅草駅地下街にそこはあった
浅草駅地下街にそこはあった
昭和の香り残る地下街に紫のオーラ
昭和の香り残る地下街に紫のオーラ
気合を入れて予約の1時間前に浅草に着いていた。店の場所を確認後、いったんマックに行き最後のグリグリをしてから臨む。
店の前でもグリグリしながら待つ
店の前でもグリグリしながら待つ
予約した時間に行ってみると、まだ先客がいた。占い師さんの人気の程が伺える。店の前に貼ってある手相や星座、干支占いの紙を読み、これも当たっているかもなと思いながらグリグリして待った。
凄く不自然な努力線
凄く不自然な努力線
数十分後、先客が「お待たせしました」と挨拶してくれ、ついに自分の番がやって来た。

手には赤く摩擦跡。これはちょっと不自然すぎだなと軽く手を揉みながら館へと入っていった。

ああドキドキするー(手が不自然すぎて怒られたりしないだろうか)

予想以上のグダグダぷり

何を言われるだろうかと緊張しながら着席すると、ヒョウ柄の服を着たマダムが紙を差し出し、「ここに名前と生年月日書いてね」と言ってきたので書いて渡した。

マダム「ハイ。で、何を占いたいの?」

私「いや、あの・・自分の性格が手相にどう出てるのか知りたくて・・」

マダム「うち手相やらないわよ」

えへー!!
思わず指が6本になりました
思わず指が6本になりました
私「!!ああ、そうなんですか・・すみません、手相占いだと思って入っちゃいました」

下調べが甘かった。こういう所の占いと言えば勝手に手相だろうと思っていたのだが、こちらでは四柱推命という方法で占うらしいのだ。しかしここまで来て帰る訳にもいかない。

マダム「手相ねえ、そんな簡単なものやらないわ。それに3ヶ月位で変わるから、手相で将来は占えないのよ」

えへえーそうなんですか・・
折角だから四柱推命とやらで占ってもらう事にした。
私の運命(企画と無関係)
・厄年で天中殺なので去年と今年はうまくいかない。来年からは運気がよい。

・細かい事に気がつく、控えめ。

・束縛を嫌って自由きままに生きたい性格。

・2年以内に結婚する。相手はよく働く凄くいい人。玉の輿。

・仕事は今年9月にトラブルがあるので要注意。

・60歳くらいで病気になる

・来年嫁に行ったらいいじゃない
占ってもらうのは面白い。一方で手相が気がかり
占ってもらうのは面白い。一方で手相が気がかり
他にも色々と占ってもらったが、ここに来たのは私の仕事や結婚について知る為ではない。やっぱり手相がどうなっているのかを知りたかった。

私「手相・・どう出てるのかな・・」と時折小声で会話に挟みこんだ。
「そんなに気になるなら見てあげるわよ」とマダムがカッコいい虫眼鏡を取り出した!やった!
「そんなに気になるなら見てあげるわよ」とマダムがカッコいい虫眼鏡を取り出した!やった!
「結婚線に縦線がいくつか入っちゃってるでしょ、愛が離れていった証拠よ」
「結婚線に縦線がいくつか入っちゃってるでしょ、愛が離れていった証拠よ」
私がやたらと手相を気にしていると、さすが25年の占い経験を積んでいるマダム、ほら見せてごらん、と手相も見てくれた。

そこで、右手は親からもらった変わらない運命であり手相も変わらないこと、左手は逆に3ヶ月毎位に変わっていくらしい事を知った。

「ますかけ」という運の良い相がある事や、今の金運、結婚運など色々見てくれた。しかし根性のある無しや飽きっぽい性格かどうかなんて話題が出てこない。時間もないし、ここは自ら誘導尋問してみよう。
なんでそんなに手相にこだわったか不思議だったでしょうね
なんでそんなに手相にこだわったか不思議だったでしょうね

ついに聞いた

私「なんかあの・・根性がないとか出てますか・・?それか逆に努力家の相が出てるとか、出てないとか」

誘導するつもりが他に言い方が思い浮かばず物凄いダイレクトに聞いていた。

マダム「なんで?そんな事無いわよ大丈夫。」

私「あ、そうですか。自分が何事にも飽きっぽいので手相に出てたりしないかなって・・悩みなんです」

マダム「あなたは元々根性がある人よ。だけど一つのことやってると次にやりたい事とか先の事が浮かんじゃう。でもそれは悪いことじゃないから。焦らないことね。頑張って!」
このようにして、マダムに励まされる形で占いは終了した。

一体どういうまとめをしたらいいのだろうか。とりあえず今の私の手相には最初本を読んで危惧していたような、飽きっぽいとか根性がないというものは出ていなかった。

それは1週間グリグリをしたお陰かもしれない。実際に線が入ったかは不明だが、諦めずにやった事でちょっとは根性がついたに違いない。

自分が変われば手相も変わるのよ、とマダムは言っていた。

無理に変えたとしても、また変わるのが手相

グリグリして運命を変えようとしていた事は、マダムには言えなかった。かわりに「よく、ペンで線ひくだけで運がよくなるとか聞きますよね」と言ってみると、「たまにそんな馬鹿な事言う占い師いるわね。そんなんで運命変わらないわよ」と言っていた。そうですよね。。

そういえば一つ、本当に当たった事がある。最初の頃に「このまま続けたらグダグダな終わり方になる」という自分の予感だ。これからはまず自分の第六感を信じていきたいと思います。
その後友人と手相の本で盛り上がった。当たるかは分からないけど、楽しいですよね。
その後友人と手相の本で盛り上がった。当たるかは分からないけど、楽しいですよね。
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