一見、あの形状は何か見る人を安心させるものがある。私は当初、「犯人から離れつつ押さえられるあんな道具があれば、無敵じゃないか?」と感じ、それでなんとなく「さすまたさえあれば誰が侵入してきてもサッと取り押さえればOK!」と思っていた。
だが、違うのだ。さすまたは、どうにも犯人を抑えられなくなったときの、最終手段なのだ。
「 不審者が来て、ワッと大勢で出て行って力で取り押さえようとすると、かえって犯人を興奮させ、あらぬ行動に走らせてしまうことにもなりかねないんです。」
よって、さすまたの登場は最悪の場合にして、何人かで構えて裏で待機はしておき、まずは興奮させないよう、時間をかせぐのがよいという。
以前、学校に、「おいしい野菜を食べさせたい」というおじさんが、鎌を持って入ってきたことがあった。先生がなんとか穏やかに応対して、やがて自然に外に出して、それで到着した警察官に身柄を渡した、ということがあったそうだ。
先生もえらいが、いきなり鎌を持ってやってくるのもどうかと思う。
とにかく、守られるべき者らの安全はもちろん第一だが、守るべき先生達の安全も考えつつ、臨機応変に対応できれば、言うことはないのだ。 |