そのことを友人にいうと、「おれがカギを開けてやる」と言う。
それはもちろんなんの解決にもなっていないのだけど、そんなことができるものなら見てみたいという思いもあり、深夜、彼を含む友人5,6人をつれて自宅へもどった。あとで思い返すと全員が酔っ払っていたのがすでに悪い予兆だったんだと思う。
彼らの作業が終わるのを外で待っていると、とつぜん「パリン」という澄んだ音が深夜のまちに響き、つづいて彼らのにぎやかな声が聞こえてきた。
慌てて戻ってみると、扉は確かに開いていたものの、そこにはめられていたはずのすりガラスは見当たらず、そして床の上にはきらきらと粉のようなものが輝いていた。
ぼくは観念して大家さんにすべてを話し、半ば呆れられ半ば怒られて、なんとか許していただくことができたのだった(注:みなさんは扉はカギで開けましょう!)。
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