一喜一憂
詰め終わったのはいいが、お腹が開いている。これでは風邪をひくぞ。心配なので、毛布をかけるのではなく、ラップを巻いて電子レンジで蒸すことにしてみた。
1分ずつ様子をみながら温めていった・・・はずなのだが。ころあいになったころ、胴体が真っ二つになっていた。こ、これは!大ショック。完全な魚の形を保持できなかったことに大ショック。せっかく今まで細心の注意を払って復元してきたのに。
しかし、レンジから取り出しラップをはずし、ピタッと左右を合わせてみたら、下のようになった。とりあえず完成。「骨のない魚・フィーチャリングいわし」だ。
見た目はなんということもない、一尾の魚。しかし箸を立ててみると・・・中はいわしのハンバーグだ。そのままバリバリ食べられる。見た目は魚丸ごとなのに、体の中が違うロジックの世界になってるかと思うと、ちょっとした笑いがこみ上げてくる。
心配だったお腹の割れも、肉が膨張して皮となじみ、きれいになっている。結局、40g、2匹弱で1匹がいっぱいになった。2匹で1匹。超人バロム1である(かなり古い)。
だがこのようにレンジでチンしたままでは、皮がぺったぺった歯に張り付き非常に気持ちが悪い。せっかく形も定まったことだし、焼いてみることにした。それが下の写真だ。なんだかメザシみたいだが、これは香ばしくておいしかった。
「骨のない魚」でWebを検索してみると、今は「人工的にあとから骨を丁寧に取り去った魚」の話題がたくさん出てくる。そういう魚があるのを知ってはいたが、いろいろ賛否があるらしい。ここでは云々しない。
でも、ふだん食べているものの「しくみ」がわかった。まだまだ「しくみ」をしらずに口にしている食べ物があるのだ。「しくみを知る」、そう思うと、魚をさばくことも面白くなってきた。
次はいよいよ「鶏をしめる」に挑戦するしかないだろう。