写真館で撮影
写真館の控えスペースでヒデヨヘア−の最終調整。
お手本の肖像写真と見比べながら、もっと左にボリュームを、とか、右のウエーブがちょっと強すぎる、とか。
カメラマンさんがそんな2人のやりとりを不思議そうに見ている。
そうだ、説明していなかった。
「野口英世さんになるって企画で、この肖像写真と同じ様に写りたいんです」
「そ、そうですか」
「あっ、ほら、新札が出るじゃないですか、だから」
「わ、分りました。じゃあ、この写真の雰囲気で照明をつくります」
今になって思えば、「新札が出るじゃないですか」って全然フォローになってない。
それでもカメラマンさんだってプロだ。言われた通りの仕上がりを目指し、照明を作ってくれた。
「じゃあ、いきますよー。カシャッ」 |