朝6時、出勤
今回お世話になるのは東京赤坂の「浜や」さん。実は、私の母の実家だ。祖父母とも亡くなって今は叔父と従兄弟とヒデさんという店員さんの3人でやっている。
古賀の特集記事はネタに困ると家族が出てくるとよく言われますが、ついに第三親等、第四親等までくりだしますことをご了承ください。
さて、この浜や、近所の料理屋に魚を卸すのが中心で、「はいっ、らっしゃいっ、今日はサンマが安いよー」的な商店街にあるような魚屋さんとはちょっと違う。店頭での小売りも一応しているが、ほとんどが配達。思い描く魚屋像とはズレるが致し方あるまい。
朝6時に店に着くと、出勤ずみの若だんな(従兄弟です)とヒデさんが留守電をチェックしていた。料理屋から夜のうちに留守電で注文が入るのだ。
「ピーッ ○○です。オコゼ2本とカツオひと節、いいやつをお願いします。以上です。ええと、少なくてすみません。○○です」
「ピーッ ××でーす。イケダイ2枚、イケハモ900ぐらいを1本お願いします。海苔は今日は結構です。××でーす」
留守電からは店名に続いてハッキリした口調で色々な種類の魚の名前が流れる。おお、魚屋だ、間違いなく魚屋に来てるぞ。眠い目が開いた。
浜や、一日の流れ
留守電から注文をまとめると早速魚を仕入れに河岸(カシ)へ行く。築地だ!
浜やの1日はとてもシンプル。築地での仕入れから帰ってくると、さばく必要のあるものはヒデさんがさばき、その間に若だんなが車で午前中の配達をする。
そうこうしている間に電話で追加注文が入って、若だんなは再びカシへ。カシが閉まるのは11時なので、注文によって間に合えば何度でもカシに行くそうだ。
配達から戻ってくるとだいたい12時。ここでヒデさんは退社する。ヒデさんは12時までの勤務だ。仕事が12時で終わるってすごい。アフターファイブならぬアフタートウェルブ。ただし5時半出勤。
午後からは地方発送を手配をしたり、午後からしか開かない店へまた配達する。そうこうしている間に17時になって閉店。
因みに社長である叔父はカシへは行かず、9時ごろ出勤して帳簿をつけたり店で小売りを担当する。リアル重役出勤だ。
つまり、仕事のほとんどが配達というわけだ。思いの外、地味。勢い、1日のハイライトはしょっぱなのカシということになる。
「じゃーそろそろ行くかあ。カシは楽しいぞー」
注文をまとめる間、ずっとリラックスしてイスにもたれていたヒデさんの目が魚屋の目になった。
朝6時半、早朝からテンション上げて行ってみましょう!
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