遂に完成。フンの模型たち
16種類のフンの彩色が終わり、後は標本ケースに入れるだけとなった。
お母さんが東急ハンズで買ってきたケースに1つ1つ入れていく。
「おお、ケースに入れると売り物みたいだ!」
「うん!」
僕が興奮してフンの入ったケースを見せると、土屋君が嬉しそうに頷いた。
そして遂に、16種類全部のフンがケースに入り模型作りは終了した。
わあ!やった!
土屋君がこの日一番の笑顔で少し跳ねた。
「本当にありがとうございます。ひとりだったらこの子、絶対終わらなかったと思います」
「いやあ、そんな事ないですよ。これだけフンへの情熱があれば、1人でも大丈夫でしたよ」
実際、フンのイラストや標本は素晴らしいし、僕が手伝った部分はフンの研究のほんの一部分に過ぎない。でもそれが、僕が20年前に祖父に手伝ってもらって嬉しかったのと同じくらい、土屋君の印象に残ってくれたら、嬉しい。
気付くといつの間にか4時間経っていた。
フン作りに夢中で時間を忘れていた。
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