「初めまして。僕はウザワ タツオミです。タッツンと呼んで下さい」
車夫の若者から元気いっぱいに自己紹介された。英語の教科書に出てくる初対面の日本人とアメリカ人の会話みたいだ。僕が日本人で、たっつんがアメリカ人。Please
call me タッツン!
そんなアメリカンなタッツンに引かれて浅草の街を巡る。名所ごとに車を停めて、フレンドリーに(っていうか、それ、ためぐち?)ガイドしてくれる。
人力車は歩道と車道、どちらを走っていいらしく、車道を走る時は結構なスピードが出るし、信号待ちもする。
最初は気になった周囲の目も、どんどん気にならなくなっていく。考えてみれば、この近所の人たちにとって人力車は日常なのだ。こちらが意識するほど向こうは気にしていない。
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