アリゾナ人に呼び止められる
半笑いライオンの横を通り過ぎパーク内へ足を踏み入れると、どこからともなくおじさんの声が聞こえてきた。
「サボテン園は広いよー、2キロ以上あるよー、歩くとすごく時間かかるよー。機関車乗ってかなーい?」
陽気な声に引き寄せられるように近づくと、ウェスタンハットをかぶり首からポーチを下げたおじさんがにこやかに話しかけてきた。第一アリゾナ人発見だ。僕の実家の親父と同じくらいの年齢だろうか。
おじさんいわくサボテン園は途方もなく広いので(10万平方メートル=東京ドームなんと8個分)普通に歩くと一時間くらいはかかってしまうとのこと。
広いアリゾナを体感するためにも自分の足で歩けばいいやとも思ったのだが、おじさんの陽気な説得に心打たれ、というかすでに笑顔で切符を取り出しているおじさんの目にやられ、料金を払って機関車に乗せてもらうことにした。
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