あーーーーーーーーーーーーー!!
ここの公園、すぐ脇は山の斜面だ。私の叫びが普通に山間をこだまする。紙の上ではサラサラ動き、跳ねる砂の音が。
「あ!震えてる、震えてる、あ、ちょっと、もう一息!」
撮影のため同行してくれた妹が皿の上の砂の様子を逐一報告してくれるのだが、私にはまったく見えないのがもどかしい。顔が少しでも動くと模様がご破算になってしまうため身動きが制限されていていかんともしがたい状態だ。
「うーん。模様って感じじゃないけど、最初よりは砂が広がったかなあ」
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やや広がったが…模様とはいえない… |
起きあがって妹にデジカメで撮ってもらった写真をチェックするが、やはり「模様」とはいいにくい。さらに2回、3回と声を張り上げるが、なにしろ紙皿が安定しないのがいけない。うっかりするとすぐ砂が寄ってしまう。
「ねえねえ、地声じゃなくて、ベースとか楽器で試してみれば?」
妹によると、先ほどコンポを貸してくれた弟が最近バンドをやっていてエレキベースを持っているらしい。
なんと!それを先に言ってくれればわざわざ真夏の昼間から公園で仰向けになって顔に紙皿乗せて大声を張り上げる必要はなかったものを。弟とのデスコミュニケーションの弊害が思わぬところに。兄弟とは仲良くしなければ。
次はベースの音で試してみます。
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