絹を使った傘ラジオ?
「今回はビニール線の変わりに絹巻き線を使って見ようと思います」
と先生。ここが今回のミソなんだそう。 絹巻き線は値段が普通のビニール線の10倍近くするが、その分ラジオの感度も上がる。
普段はとにかく安いもの、身近なものを使うというのが先生のポリシーだが、今日は少しでもよく聞こえるようにとの配慮だ。
そんなわけで材料はビニール傘、アルミホイル、ポリ袋、クリップ、セロテープ、ゲルマニウムダイオード、クリスタルイヤホン、絹巻き線。
ビニール傘にポリ袋の割にはクリスタルだ絹だと豪勢なんだか何なんだかである。
(詳しい作り方は小池先生の傘ラジオオフィシャルサイトをご覧下さい)
若い力のサポートを得て
お忙しい小池先生に代わり、制作は先生の元で卒業研究をしている学生さんに手伝っていただいた。若い男子に囲まれて作業は進む。何しろ傘に電線を張る私に1枚1枚セロテープを切ってくれるんである。電線が絡まないようにたぐってくれるんである。
前回独りぼっちでで作ったことを考えるとこの差はなんだ。絹という素材以上にスペシャルな今回の制作。
「あ、そこはボクが押さえてますんで大丈夫ですよ」
「ポリ袋、もう一箇所テープでとめましょうか」
「ゲルマニウムダイオード、そこに立てときました」
「アルミの畳み方は逆の方がいいですよ」
いやー、すみませんねえ、何から何まで。 えへへへへ。
よく聞こえるラジオ、できました
「インダクタンスはどうだ?」
「12マイクロヘンリですー」
「何オームで?」
「6オームです」
「1メガヘルツで何オーム?」
「6.5オームです」
「自己共振は?」
完成した傘ラジオはインピーダンスアナライザーという“よく分からないだけにグッと来る” を体現したような機械にかけられた。
学生さんがチャッチャと何かを入力して測定している。別件で教室の向こうにいる小池先生と上記のような暗号としか思えないやりとりをしていたが、最終的に「さすが、絹巻き。これかなりいい特性のラジオになってますよ」とのこと。やった!
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