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特集


ちしきの金曜日
 
立入禁止にたたずんで
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 街でよく見かけるさまざまな表示の中でも、いつも気になる表示がある。「立入禁止」──四字熟語で入ることをきっぱりと拒否。

 よく見ると立入禁止は意外と多い。国道沿いの工事現場、ビル裏のドア…。わかりやすく派手に、そして時にひっそりとある立入禁止。

 別に入りたいなんて言ってない。始めから入る気なんてないのに、立入禁止と言われるから逆に立ち入りたくなる。そう考えると立入禁止の表示は私たちを誘っているともとれる。

 入れないとはわかっていても、とりあえずはじたばたしてみた記録をお送りしたいと思います。

(text by 法師丸


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早くも入ってしまいそう

◆立入禁止の鉱脈・工事現場

 立ち入りを禁止されたいならば、工事現場に行けばまず間違いない。比較的よく見かける状況でもあることからして、手軽に訪れることのできる立入禁止と言うことができる。

 また、単に立ち入りを禁止しているだけでなく、そのたたずまいとしても魅力あふれるものになっている場合が非常に多い。これから新しい何かができようとする場所、力強い重機が集まる場所。危険さゆえの立入禁止だが、皮肉なことにそれがまた魅力ともなっている例だ。


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開放感が僕をいざなう工事現場

●見る者を試す立入禁止

 立入禁止を表示しつつも、実のところはかなり隙のある現場の例。しっかりと封鎖してくれていればあきらめもつくが、こうもゆるいと間違えたふりをして入ってみたくなる。もしかすると挑発されているのかとさえ思う。
 左側に歩行者通路があることをナビゲートしてくれているが、そんな通路は通りたくない。入りたいのはコーンの向こうにある工事現場そのものの方だ。

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 上の例とは違い、がっちりと細かい網目の扉でガードされた立入禁止。ドアノブ上の暗証番号入力装置が入れないぞという本気を感じさせる。
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 立入禁止なのはわかるが、現場係員とおぼしきイラストに心乱される例。高圧的な態度が入れない悔しさに拍車をかける。
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 作業半径という概念をもたらす表示。半径とか言われてもよくわからない、知らないうちに入ってはいないだろうか。そんな不安を駆られる例。
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 派手さを抑えた工事現場に合わせたかのようなシンプルな立入禁止表示。人の気配がない分、思い切ってまたいでしまいそうにもなる。

●関係者には開かれた立入禁止

 ここまで載せた写真からわかる通り、立入禁止の表示には「関係者以外」という注釈がついたものが多い。逆に言えば関係がある人は別に入ってもいいわけだ。
 右の写真は先に掲げた大きな写真の工事現場。迫力ある現場の様子に見とれていると、スーツ姿で自転車をまたぐ中年男性がなにげなく入っていく。本当にいるのかと疑問に思っていた関係者の存在を示す羨望の一枚だ。

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あっ!関係者だ!

 

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