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特集


フェティッシュの日曜日
 
30歳からのあみぐるみ

だんだん形になってきた。

なぜか立ち上がって編むふたり。

わたを詰めればなんとかなる

かわいい談義をする30男ふたり。

高宮さんも帽子がはじまりだった

少し慣れてきて会話ができるようになってきた。

「あ、高宮さんのあみもののきっかけってなんだったんですか」
「むかしレゲエにはまってて、ラスタ帽が欲しかったんですけどいいのがなくて」
「自分で作っちゃったという?」

「僕もけっこう頭が、ほら…」
「あ、ほんとだ。」

頭の大きな人がみな編みものができるとしたら面白いと思う。切ないけど。

だんだん袋状になってきた。やや歪んではいるのが気になる。そのことを高宮さんに言うと、

「大丈夫です。わたを入れればなんとかなりますから」
「『わたを入れる』ってことわざっぽいですね」
「『いままでいろいろあったけど、わた入れてさ』って感じで。」
「『わた入れて終わりに』ってオトナ語っぽいですよ」

わたを入れればなんとかなる。おたまの場合は、わたは多めにぎゅうぎゅう詰めると形が整います。

 

男と「かわいい」の壁

胴体部分は編み目を増やす必要もなく、わりと単純作業で会話もできる。

「これも聞こうと思ってたんですが、『かわいい』を作れるようになったのっていつ頃ですか」
「ここ数年ですね。女性に『その髪型いいね』って言えるようになったのといっしょかな」
「そのタイミングはなんとなくわかります。僕も最近です。『かわいい』って言えるようになったのは」
「ティーンエイジャーのころはないですよね」
「男だと『かっこいい』ありきですもんね」

「男の『かわいい』はたしなみかも」
「たしなみ!」
「会議で『その企画かっわいいねー』って言うのはどうかなって思ってます」
「褒められてるのかけなされてるのかよくわかんないですね。」

 

高宮さんはこの間におたまを2個ぐらい作っていた
そして僕のおたまももうすぐ完成です!

 

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