擬音楽器をゲット、そして練習
東京都江戸川区にある(有)大岡紫山さんは日本で唯一の擬音楽器メーカーで、すべての楽器は職人さんの手作りだ。
天然の竹で出来ている擬音楽器は保管が難しくあまり在庫を抱えていない。
「それでも、いくつかはうちにありますので」
と事前の電話で在庫を確認してもらった。
「あるものだけでいいので、お譲り下さい」
早速、事務所を兼ねたご自宅にお邪魔した。
今回は動物の鳴き声を真似る楽器だけを譲ってもらうが、動物以外にも「汽車の汽笛」「チャルメラ」「男あんま」なんてものもある。
「男あんま?」
「昔のあんまさんは笛を鳴らしながらやって来たんですね。その時の音を真似たものです。女あんまもあります」
そのあたりの擬音にも興味はあるが、今回の企画には必要ない。
動物シリーズだけをテーブルの上に並べてもらった。
カラス笛、ニワトリ笛、ウシ笛、ヤギ笛、もず笛、あかご笛(人間の赤ちゃん)、かじか笛(かえるの1種)、すずむし笛、子猫笛、かえる、とんび笛
以上、用意してもらったのは全部で11種類。
「試しに吹いてみてください」
笛をくわえ息を吹くが思うように音がならない。
「結構コツがいるので、このCDを聞きながら練習するといいですよ」
大岡紫山さんが作った練習用CDをいただいた。鳴らし方の説明と模範演奏が収録されている。著作権の関係上、ここで模範演奏の音をお伝えする事が出来なくて残念だが、どれも本物の鳴き声にしか聞こえないくらいリアルだ。
CDの音に近づくためには、とにかく練習あるのみ。
大きな音を(擬音楽器は想像以上に大きな音がします)出しても大丈夫な場所といったら、やはり高架下だろう。
トランペットの練習みたいだが、僕の手には擬音楽器。竹をくわえて、ウシとかヤギとかカラスになりきろうとしている。
舌をふるわせたり、喉の奥で息をふるわせたり、息に強弱をつけたり。
段々とコツがつかめてきて、模範の音に近づいていく。
苦労の末体得した演奏を聞いて下さい。
いかがですか?
カラスは特に自信があります。舌をふるわせた鳴き声なんて、もう本物そっくりでしょう。
これならいける!
鼻息荒く、上野動物園に向かった。
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