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特集


はっけんの水曜日
 
おんなのワンカップ研究


ある日、私はいつものように、近所のスーパーのお酒コーナーで、うろうろビールをながめていた。

家でお酒はあんまり飲まないようにしている。せいぜい1日、ビール1缶。1缶しか飲まない代わりに、発泡酒じゃなくてちゃんとしたビールを買いたいなあ、と最近思う。

モルツがいいかなエビスがいいかな、コロナやチンタオもいいな、瓶ビールっていいよなあ、瓶っていうマテリアルがいいのよねえ……なんてじいっと売り場を見ていたところ、全くノーマークだったジャンルの瓶が、目に入ってきた。

チョーヤ、梅酒ピオ。

それは小さな小さな緑色の瓶で、梅が1つ入っていた。いわゆるワンカップ型。かわいい。すんごいかわいい。

ピオの周辺には、女性でも買いやすいようなワンカップが、数種類置いてあった。こんな世界が、あったのか。私は「おんなにも飲めるワンカップ」を集めて、試飲会をやることにした。参加してくれたのは友人のタカセさん(女性)だ。

美味でかわいいお酒を探して、いざ!


(text by 大塚幸代



陶陶酒 デルカップ

主な成分 朝鮮人参、蝮エキスほか。カラメル色素、酸味料、香料。陶陶酒製造製。アルコール12%、容量50ml。186円。

大塚「まずは食前酒系ですね。ミニミニなカップで、容量わずか50ml」
タカセ「朝鮮人参とか、マムシエキスなんか入ってるんですね」
「ニンジン、クコ、ケイ、カンゾウ、コリアンダー、ドクダミ、シソ、サンザシ、サンシュユ、マムシなどなど、入ってるらしいです。
これ、2種類あるんです。甘口がアルコール分12%、辛口がアルコール分29%。今回は甘いのを買ってみました。……どう?」
「甘い! あんまり、薬臭くないですね。うまい!」
「ほんとに?」
「………あ、ごめん、美味しくて全部飲んじゃった」
「え……そんなに美味?
これ、キオスクでも、売ってますよね。意外とファンは多いんじゃないでしょうか」
「健康酒ですもんねー。でもファンがいるのは分かる味!」


チョーヤ 特選 蝶矢人参酒 デミタス

人参根入り、ブランデー合譲、アルコール分19%。60ml。ローヤルゼリー配合、朝鮮人参と12種類の草根木皮、チョーヤ製。205円。

「これもかなり、身体によさげですね」
「朝鮮人参の根っこが入っているんですよ。見た目、ゴボウそっくりなんですけどね」
「味はどうですかね……んー、デルカップより、薬っぽいですね。かなりローヤルゼリーくさい」
「……こういうの飲むと、旅館の夕食を思い出しませんか? こういう種類の食前酒、冷やして出てくるじゃないですか」
「あー旅館ねえ」
「……この根っこは食べていいんですかね?」
「いや、食べたら身体にいいんじゃないですか?」
「……ガリガリ……これ、味は抜けてます。食感はゴボウ、ですね」
「ゴボウかー」


チョーヤ梅酒Pio

梅酒50ml、梅の実10ml、アルコール分14%、チョーヤ製。103円。

「これが! 問題の、萌え萌えビンですよ!」
「確かに可愛いですねえ」
「お花の一輪挿しにいいと思いますよ。
梅がいっこ、すっぽり入ってるのも、グっとくるポイントです」
「……この梅、横から見ると大きいけど、上から見ると小さいですね」
「瓶ですからねえ」
「味はもう、スタンダードな梅酒。味は濃いですけど、この量なら、スイっといけます」
「梅酒って、食前酒ですもんね」
「あんま、肉や魚料理とかには、合わないですよね。独立した飲み物ですよね」
「このピオって、ヤクルトみたいに、たくさん入った箱で売ってることもあるんですよ。日課として、1日1瓶、飲んでる人もいるんじゃないかなー、と」
「1日の密かな愉しみですね」


杏の露 実入り

杏酒160ml、杏の実20ml。アルコール分13%未満。原材料、杏酒、杏の実、砂糖、糖類、香料。永昌源製。239円。            

「……杏は梅酒と味が違いますね」
「そりゃまあ、そうですよ。色も違うし」
「フルーティですね」
「梅より、フルーツ度高いですからね」
「梅酒より軟派な感じが、お好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか」


 

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