いよいよ人間将棋がはじまる!
ぼーん! ぼーん!
景気良く花火が上がって会場が一段と盛り上がってきた。いよいよ人間将棋が始まるのだ。
いきなり将棋の対局が始まるのではなく、ストーリー仕立てになっている。西陣、東陣に別れた武者達が稽古合戦を将軍に見せるが、決着が付かないので人間将棋で勝負をつけようぞ、といったもの。役者の方が何人かいて、殺陣をやったりする。
「 ズバーン! ブシュゥッ!」
などの効果音や時代劇風の音楽で勇ましく盛り上がる。
「両陣、見事な戦いぶりであった。勝敗は人間将棋をもって決する!」
緊張感が極限まで高まったところで、将棋を指す棋士の登場だ。人間将棋は毎年プロ棋士の方が戦う。今年は木村一基七段と川上猛五段の対局だ。
「西軍、姓は川上、名は猛、いざいざ、お相手いたす!」
ここまで役者の方が言うと、マイクがやぐらに上がった川上五段に渡った。
「えーっと、駒の皆さん、今日はよろしくお願いしますー。木村七段もどうかよろしくー。それじゃあ、先手、ななろくふ(7六歩)」
あまりの物腰の柔らかさに張りつめていた戦国的緊張感が一気にゆるんだ。会場、和みまくり。
会場には市内の方々はもちろん、遠方から将棋ファンの方も多く来ているようだった。棋譜(将棋の指し手を記録するための用紙)を抱える人、超望遠のでかいカメラを構える人などで、なごやかな中にも熱気はむんむんである。
それでは、人間将棋の全貌を、いざ、ご覧にいれようぞ。
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