びゅううううーーーー!!
うわっ! 強風にあおわれて完全な集中状態に入る前に現世に引き戻された。優しかったそよ風が、いつの間にかかなり強くなっきている。
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風が! |
何しろ紙を扱っているため、風が吹くのはかなわない。残念だけど最後の作業は手近なファミレスで行うことにした。
集中できない
青空から一転、蛍光灯の元での作業。開放的だった野外に比べるとかなりの閉塞感。うーむ。しかも、ここでは隣の会話が直聞こえだ。
男「だからねえ、イラクではさあ」
女「ええと、メニュー決まりました?」
男「あ、じゃあカレー。でね、イラクでは」
女「すいませーん! カレー2つー!」
男「イラクではね、その手の問題ってのはね」
女「あ、このカレー、イカ入ってるんすね、失敗したなあ」
男「イラク的に解決するというかさあ」
女「まいったなあ、イカ、ぜんぜん食べられないんですよ」
ややもっさりした50代ぐらいの男性(イラク問題に熱心)とキレイ目な20代ぐらいの女性(イカが苦手)の、どこまでも噛み合わない会話が気になって 、集中できない。公園ではあんなに集中できたのに……。
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手、止まる(聞き耳たて中) |
男「最終的にイラク問題ってのはね」
ウェイター「カレーお待たせいたしましたー」
女「わちゃー、やっぱりイカ入ってますよー。先生はイカって食べられます?」
え? 先生? 先生と生徒なの? 二人の意外な関係が徐々に明らかになる中、菱形30面体を組んでゆく。ユニットのサイズを欲張ってすこし大きめにしたので出来上がりもかなり大きめになった。いやいや、そんなことよりも私が気になるのはイラクとイカ、そしてカレーのいい匂いだ。
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あー、いい匂い |
先生「テレビなんかの報道を観てるとね、イラクでは…」
生徒「タコは大丈夫なんですよ。むしろ好きなくらいなんですけどね」
先生「例えば、今、イラクの問題がこのままだったとするだろ?」
生徒「海鮮カレーってちゃんとメニューに書いてくれればいいのになあ」
生徒よ、イカはいいから、イラクの話しを聞いて上げようよ! もしくは、先生も大人なんだから、イカついて話し合わせてあげようよ! 余りにも噛み合わない二人の会話に気をもみ、なかなか作業ははかどらず。夜のとばりが降りる頃になってようやく
菱形30面体は完成した!
結局、師弟の会話は最後まで平行線をたどったまま、それでもカレーを食べ終えると仲良く帰っていきました。何だったんだろう……。
多面体づくりはやはり野外でやるのが適していることが分かった。では、本日作成した多面体を一挙に公開いたします! 成果をご覧下さい。
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