すべてのものを数値化したいと思っている。
僕らは「言い表せないほどの感動」とか安易に言いすぎではないだろうか。もっと伝える方法を模索すべきだ。それはなんだ。数字だ。
10ルクスの薄暗い部屋で。70度のなで肩。塩分0.2%の涙を流す。20デシベルのささやく声。表面温度は2度さがった。「そうかー、2度きたか」と情緒を数字で語れるようになりたい。
そんな折、国際計量計測展の開催を知った。計測機器の展示会だ。計測器のサンクチュアリに踏み込んできました。(text by 林 雄司)
つつつつー、と指を滑らすと
数値化できるんです!
新東科学のブースにあったのは触感計という装置だ。この板の上で指を滑らすと、そのときの抵抗値が表示される。
「『すべすべ』とか『しっとり』という言葉でしかあらわせなかったことを数値化できるんです」
と説明していた。そう!そうだよね!同じ指向の人に出会えたのがうれしい。あいまいなものを数字で表したいのだ。
ハンドクリームなどをこの上に塗って、その滑りぐあい、時間の経過による滑り具合の変化を計測する。
ちなみにこれは資生堂との共同開発だそうだ。こういう装置でクリームを開発していたのか。
ほか展示会にあふれる素敵な機器たちをご覧ください。