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特集


ひらめきの月曜日
 
裏を見る

豚カツ屋に行くと、カツが出てくるまでの待ち時間は大抵ソースの瓶の裏側を読む。

ほとんどの物は、見るべき部分は表側だ。看板や標識は表にしか意味がないから、目にしても気にとめることはない。でも、 普段表しか気にしていない物だってソースみたいに裏にも注目してみたらどうだろう。

街にあるもの、生きているもの、食べるもの、そしてテレビ放送の極めて物理的な裏側を見てきました!

(text by 古賀 及子



花の裏確認中

街なか裏探索

まずはジャブ程度に、街じゅうの物の「裏側」をキャッチしてきた。行く先々で、いつもは表しか見ない物たちの裏側を拝見する。

ものの裏側は見られることを前提としていないことが多い。いきおい、見るためには回り込んだり、しゃがんだり、めくったり、ひっくり返したりの作業が必要だ。

面倒なだけに、裏側を見ると勝ち気分が味わえる。ノリノリで裏を集めてきました。画像はマウスをあてると裏側の写真に変わります。)



標識 この手の物は、決定的に裏側には用がないからか裏側は全く無防備だ。標識は裏返すととたんにおでん感が高まってしまった。駐禁も何もあったもんじゃない。
看板 すごく人に喋りかけている感じがする。 人の背中みたいだ。看板は新しかったり、古かったり、きれいだったり汚かったりで人柄ならぬ看板柄を感じる。
自動販売機 何やら注意書きが。 「冷房回収は低圧配管と高圧配管の2カ所から行って下さい」。さっぱり分からないだけにぐっとくる。
ころがってた置物 売り物だった。
100円で動く遊具 ボウリングのたま?
のぼり 開き直るように堂々と、裏。
上野の西郷隆盛像 写真に写ることは数あれど、裏側は貴重なショットなのでは裏に回ると、その視線の先が何をとらえているのかも見られる。
狛犬 缶ジュースを選んでいるようだ。永遠に。
銀座・三越前のライオン 妙にエロいよ。
マーガレット 花って「顔」なんだなあ、としみじみ。後ろ側のガクの部分が首みたい。
つばき 貫禄のうなじ。銀座クラブの大ママのようだ。
とすると、こっちは子供か。かしましい。
ハト 最初しっぽの部分を眺めていたのだが、しっぽは「裏」じゃなくて「後ろ」じゃないか? というわけで「腹」をもって「裏」とした。
ダックちゃん 鳥ついでに。
移動に使ったパスネット 乗り換えの軌跡ぎっしり。
うどん あら。裏側の方が美味しそう。普通のきつねうどんが、麺がひしめき合うことで、讃岐うどんの釜揚げみたいに見える。横からも見てみた。
スパゲティー へばりつく麺感が強烈。まさに裏だ。実はやや茹ですぎてしまったのだが、それが如実に表れている。うどんと比べると完全に美味しそう感ダウン。
カレー カレーとご飯の境界線がスリリングに浸食しあっている。ただこちらもスパゲティー同様、ありがたい感じはしない。
この様子、どこかで見たことある気がするが…。


これは!
お、大漁 ※
(ここから先、
印の付いた画像はマウスをあてると裏側の写真に変わります!)

ごはんの裏側

あ。分かりました。スパゲッティーとカレーの裏側、どこかで見たことがあるような気がしたのだが、 食品サンプルの裏側に似ている。

以前、ショッピングセンターの食堂でバイトをしていたとき、食品サンプルのレイアウトを任されていて裏側を目にすることがあったのだ。自分が以前から食べ物の裏と面識があったとは知らなかった。

食べ物の裏と表は、ひょう面に凹凸が出るか出ないかが大きな違いだ。表面の凹凸が見た目の美味しさにこんなに深く関わっている。

美味しそうに見せるためにはデコボコさせた方がいい。全国のコックさんにぜひ伝えたい。

子供の頃の「裏」を思い出す

食べ物で裏と言えば、アイスやヨーグルトなんかのフタも外せない。子供心に、カップアイスはフタの裏が一番美味しいというのは内に秘めたマイ常識だった。これが世間の常識と知ったのは大人になってからのことだ。

子供にとっての「裏」といえば石の裏なんかもよくめくったもんだ。せっかくなので、次は久しぶりに石の裏がどうなってるかも確かめてみましょう。


 

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