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特集


ロマンの木曜日
 
終わりの唄 〜第1章〜
業務終了の唄

運河に日が沈んでいく
廃虚と化した鉄工所もあった

昭和島鉄工所地帯

工場の終業サイレンを聞きたくて、昭和島にやって来た。

鉄工所を見おろせる立体駐車場の上からマイクを向けてサイレンを待つ。
ガーンガーンと鉄をうつ音が響き渡り、その度に地響きがする。京浜運河の向こうに日が落ちていき、辺りが徐々に黄昏れていく。
ガーンガーン。鉄を打つリズムは一定で、もうすぐ17時。
工場で働く人たちの1日が終わる。

鉄工所の唄(終業10分前)

16時50分。
最初のサイレンが鳴った。
高校野球のプレイボールと同じ音だ。

鉄工所の唄(終業時間)

そして17時、サイレンがもう一度鳴った。
サイレンが鳴り終わり、日がさらに落ちていってもガーンガーンと鉄を打つ音は鳴りやまず、工場で働く人たちは残業に突入したのでしょうか。

立体駐車場の上で強い風にさらされ、すっかり冷えてしまったので僕は帰ります。




ここ1週間、毎日の様に17時には外にいて、終わりの唄を聞いていた。聞いていたらすっかり帰巣本能が目覚め、そのまま家に帰ってカレーを食べたくなった。あれ、不思議だ。

「ふるさと」とか「夕やけこやけ」とか着メロにしたら、まっすぐ家に帰る様になるんじゃないか?そうすれば深酒せずに済むのか?

そんな事を考えた、終わりの唄特集でした。

そろそろ日が暮れますよー


 

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