型取り最終段階突入
最初意外に思ったのは、型取り剤の上からも石膏を塗っていく、ということ。でもこのかたまった型取り剤をさわるとわかる。こんなにぶよぶよになるんじゃ、本体となる石膏を流し込むと型が広がってしまうので、それを防ぐ為なのだ。
おっと、しゃべっている場合ではない。私はスリープに入っているのだった。
(皆が楽しそうだ。ケーキ作りのようだとか言っている。まあいい。艦長から指示を出しておくか。)
(「セッコーはようすをみながら」。乗員にも伝わったようだ。少しづつ水を混ぜてくれ。)
(皆が石膏を塗っていく。私の顔が下にあるのだ、諸君、力任せにやらないでくれたまえ。指示をだす。)
(「あまり力をいれるとズレるぞー」。こら、力を入れるなというのに。)
まるでエステ
(石膏が乗ってやたら顔が重い。思えば軽い気持ちからライフマスク作りを提案したのだが、なんだか大変なことになってきた。)
(上からさわると石膏が温まっている。かたまると熱を出すのか!まるで温熱パックだ。耳を汗が伝う。やはり大変なことになっている。)
(鼻のストローはよくがんばっている。ためしに片方指でふさいだら本当に窒息しそうになった。私はいま彼岸と此岸のあいだにいるのだ。
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