あの映画のせいで
休日、都内某水族館。休日とはいえ、閉館1時間前なら人も少ないだろうと思い行ってみたが、えらく人がいる。
それもそのはず、最近大当たりした全CG魚映画をからめた企画展示が目白押し。水槽のクマノミの前には携帯カメラを構えたカップルがはりつき、子供はあの映画で人間界に連れ去られた役の名前を連呼する。
家族連れやカップルだらけのなか、水槽に張り付き立てひざついて、ひとり、魚のポートレートを撮っていく。「そこの姉ちゃん、携帯カメラじゃ魚は撮れないねィ。」、とプロ気取りで。
ここまできてひとつわかったことがある。カメラを向けると、魚はだいたい逃げる。水槽の向こう側からもこちらは鮮明に見えているのだろう。
たいていは「妙なものをこっちに向けて持ってる奴がいる、逃げよう」となるのだが、たまに魚界にも変わり者はいる。じっとカメラに興味を持つものもいる