林さんより一足先に、お台場の潮風公園に到着した。 平日の昼下がりという事もあって、人影はまばら。
コンロに土鍋をセッティングして待つ事15分、林さんが七草らしき野草を手に現れた。
林「いやあ、すみません。遅れちゃいました」 住「どうでした?七草」 林「ええ、一応3株ほど」 住「僕は4株ほど」
住「何か凄く青臭いんですよね。持ってるだけで」 林「その、セリ(大)じゃないですか?根っこがでかいから」 住「そうですね、セリ(大)から相当匂いますね」 林「そもそも、大とか小とかあるんですかね?」 住「うーん……」 林「で、どうします?この草たち」 住「これを食べるの、ちょっと勇気がいりますね」 林「ええ……」 住「……」
林「あっ、石塚さん!」 住「七草揃いそうになかったので、石塚に市販品を買って来る様にお願いしたんですよ」
六郷土手から弊社スタッフ石塚に連絡をして、七草セットを買ってお台場に来てもらう様、手配をしておいた。
市販品の七草と僕たちが取ってきた七草を比べて、僕たちの七草が正しかったらそれを食べる事にした。
それにしても、こうして並べてみると、僕たちの七草はいかにも武骨で野性味が溢れているのが分る。市販品から醸し出されているこの上品さは何だ?
市販品と取って来たもの、それぞれ手に取って比べる。
「これ、どう見ても違いますね」 「こっちも、ちょっと縮尺が大き過ぎます…」 「あっちはそんなに匂わないですよ」 「本当ですね、こっちは相変わらず青臭いですけど」 「やっぱり、あっちですね」 「ええ、あっちで作りましょう」
そして、あっちの七草を使った七草がゆが完成し、一気に食べた。 朝からの苦労が隠し味となっていたのだろう。少し青臭かったが、おいしく食べられた。
これで、今年1年は健康に過ごせる事でしょう。