なんとなく満たされる
柏崎駅周辺はひっそりとしていた。駅前の商店街も開いてたり閉ってたりだ。
高まったリビドーは振り上げたものの下ろし所を見失った拳のようになってしまった。
そういえばイト−ヨーカドーはどこだ。いや、しかしイト−ヨーカドーがあったとして何を買うんだ。
なんだかどうでもいいものを買う状況を想像すると、むしろ助かったのかもしれない。
酒屋さんで酒を買い、お菓子屋さんで名物のまんじゅうを買い、たいやき屋さんでできたてを買い食いする。あんこが熱くて、じわりと満たされる。
ツイてきた!
行きに自粛していた、だるま弁当欲しさに今度は高崎駅で降りた。が、売店ではおじさんが明かりを消してレジ閉め作業をしている。
「今日は終わりですか?!」
焦って聞くと、片付けていた一つを出してくれた。
「今日はこれで最後だよ。」
だるまというのはいわずもがな縁起ものだ。そいでもって「残り物には福がある」と言う。
福のダブルパンチ。今後を占うさいさきのよさだ!なんだかいい恋ができそうな気してきたので、強引にそんな気持ちのまま東京まて寝て帰ることにした。
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